2016年1月15日、英国大学協会(UUK: Universities UK)は政府の高等教育改革素案(Green Paper)に対するコメントを発表した。英国大学協会は卓越した教育、研究を支援するという政府の改革素案に対して賛同の意を表するものの、あらゆる改革案は教育、研究、知識交換の全領域で実際に成功している高等教育界の取組を損なうべきではないと述べている。その上で、新たに導入される予定の教育評価制度(TEF: Teaching Excellence Framework)について、当面は試験的に実施しながら、教育の卓越性を実践するための根拠を集め、その情報をいかに効果的に学生に提示するかを考えつつ、効果的に発展させていくことを推奨している。
主なポイントは以下のとおり:
・TEFの総合評価を授業料上限引き上げと直接関係付けることには賛成できない。ただし、質保証、参加機会拡大、学生保護の単独の指標と何らかの関係付けを行うことはあってよい。
・学生局の名称は教育助成をカバーし、研究と産学連携にも及ぶ広い権限を反映して、学生/高等教育局とされるべきである。
・学位授与権の付与は4年間の実績に基づき判断されるべきであり、大学名称を与えるためには公益性テストを課さなければならない。
・質保証に基づいた研究助成制度(QR)が研究会議(RCs)に対し導入されることを懸念しており、デュアル・サポート・システムの継続を確認し、研究会議とInnovate UKの峻別を求める。
Universities UK:Response to the Higher Education Green Paper
GOV.UK:Higher education: teaching excellence, social mobility and student choice