2019年2月6日、英国大学協会(Universities UK:UUK)は、英国がエラスムス・プラス・プログラムへの継続的参加を取り決められなかった場合でも、英国学生のために留学の機会へ資金配分を続けるよう約束することを政府に求める全国的キャンペーン“#SupportStudyAbroad”を開始したとして、以下のような記事を掲載した。
継続的な資金供給がない場合、来年は17,000人の英国人学生が留学の機会を逃すことになる。このキャンペーンは、1月28日に発表された、離脱協定を結べないままEUを離脱するに至った場合のエラスムス・プラス・プログラムにおける英国の参加資格の将来に関するテクニカルノートに対する反応として発足した。政府は、将来の募集に向けてエラスムス・プラス・プログラムに留まりたいと述べている。しかし、もし政府がエラスムス・プラスの継続的な参加資格について取り決めできないのであれば、離脱協定を結べないままEUを離脱するに至った場合、学生が留学するための代わりの国家的事業はない。
UUK会長のAlistair Jarvis氏は、“離脱協定を結べないままEUを離脱するに至った場合、私は政府に対して、英国がエラスムス・プラス・プログラムへの継続的参加を取り決めることができなかったとしても英国人学生のために留学の機会へ資金配分を続けることを約束するよう、強く喚起したい。”などと述べている。
主な事実と統計
1)留学は社会的流動性を高める。留学経験者は、そうでない者と比べて学術的にも職業的にも勝る。彼らは、
- 優等な学位を取得する可能性が19%高い。
- 失業する可能性が20%低い。
- 大学卒業後6ヶ月で大卒資格が必要な職に就いていることが10%多い。
あまり代表者を出していない、または恵まれていない集団の出身者にとって、その恩恵はさらに際立っている。 - 黒人や少数民族の留学経験者は、大学卒業後6ヶ月で大卒資格が必要な職に就いていることが17%多い。
- 成人学生で、これらの留学事業に参加したものはそうでない者と比べて10%多く収入を得ている。
2)国際的な機会は、英国の企業が必要とする技能を学生が発展させることを助ける。英国産業連盟(Confederation of British Industry:CBI)の調査では以下のようなことがわかっている。
- 10社中7社の中小企業が、将来の会社幹部は外国語の技能と国際経験が必要だと信じている。
- 39%の雇用者が大卒者の多文化意識に不満を持っている。
- 49%の雇用者は大卒者の語学力に不満を持っている。