【ニュース・イギリス】英国のトップ大学がEU離脱に備えヨーロッパの大学と協定を調印

 
2019年1月26日、インディペンデント紙は、少なくとも12校の英国を先導する大学が、EU離脱により生じる脅威を抑えるためにヨーロッパ中の大学と協定作りをしているとして、以下のような内容の記事を報じた。
 
英国がEUを離れた後の研究へのアクセスを確保し、学生交流を維持するために、(英国の)高等教育界の有名校の一部は、大陸側の大学との関係確保を行なってきている。
 
(EU離脱に際して)離脱協定を結べなかった場合、英国は、800億ユーロに及ぶEUの研究資金へのアクセスを失うことになる。この研究資金からはラッセルグループ*のエリート校が最も利益を得ている。
 
ラッセルグループの上級政策調査員であるJo Burton氏は、“英国のEUとの将来関係が未だに不明確であることにより、英仏海峡の両岸では、結び付きを公式化し、大学や、そしてもちろん経済にとっても極めて重要となる、人々や発想の移動を守ろうという強い欲求がある。もちろん、これらの協定が有効な離脱協定の代わりとして働くことは期待されていないが、大学は率先して行動し、ヨーロッパとの絆を強化している。”と述べている。
 
今週の前半に、University of Yorkはオランダのマーストリヒト大学との間に、研究資金や学生・教職員の交流について“かなりの確実性”を与える300万ポンドの協力関係に調印すると公表した。
 
これは、University of Glasgowが昨年6月、教職員と学生にこれと似たような保障をもたらすためにドイツのリューネブルク大学と協定に調印したことに続くものである。
 
(注:記事ではこの他、オックスフォードとベルリンにある複数大学との協定や、ケンブリッジとルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンとの協定、インペリアルカレッジロンドンとミュンヘン工科大学等の大学との協定などについて取り上げられている)
 
University of WarwickのStuart Croft 学長は、(大陸側の各大学との)協定を結んでいくという決断は、政治家がEU離脱問題を解決するのを“ただ待っているだけの余裕がない”からだと述べている。
 
*ラッセルグループは、英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。
 
1ユーロ≒125円(2019年1月28日)
 
The i:Top UK universities sign ‘treaties’ with European partners to limit Brexit threat

地域 西欧、EU
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
国際交流 学生交流、研究者交流
レポート 海外センター