【ニュース・イギリス】英国が新たに、プラスチックの海洋汚染に取り組む研究・技術革新の中枢を立ち上げ

 
2018年5月9日、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS:Department for Business. Energy&Industrial Strategy)は、プラスチックによる海洋汚染に対処する研究中枢を立ち上げることを発表し、以下のような記事を掲載した。

  • 世界でも第一級の英国の科学者が、カナダ・インド等の英連邦諸国の科学者と協力してこの地球的規模課題に取り組む
  • 新たな地球的規模の研究中枢が科学的・技術的知見を一つにし、持続可能なプラスチックの代用品や海洋へのプラスチックの侵入防止に関する考えを共有可能とする
  • ユニリーバやウェイトローズ*といった、注目度の高い有名企業が研究中枢を財政面で後援している
  • 支援を行う有名企業等の中には、英国プラスチック連盟(BPF:British Plastics Federation)やエレン・マッカーサー財団**も含まれる

英国は、他の英連邦諸国と協力して、プラスチック廃棄物の海洋への侵入を防止する解決策や、環境に優しいプラスチックの代用品を開発する研究者のための研究・技術革新の中枢を立ち上げる。
 
インド、カナダ及び他の英連邦諸国は既に、新たな海洋プラスチック研究・技術革新枠組みの一部に入ることについて署名している。この枠組みは、研究者を結び付け、海洋プラスチック問題に取り組む最新の研究・技術革新の分野で共同研究を行うことを可能にする場である。
 
英国は、本枠組みの設計・運営に主導的な役割を果たし、政府の最新の産業戦略***を通じ、世界をよりクリーンな成長へと近付けることを促進するだろう。国際運営委員会がこの作業を監督する。
 
メイ首相は、ロンドンで開催された英連邦政府首脳会議で、英国がこの枠組みに2,500万ポンドを拠出することを表明した。
 
ユニリーバは研究開発に500万ポンドを出すことを約束し、ウェイトローズは50万ポンドの寄付を確約している。
 
施設、ネットワーク、知見へのアクセスを含んだ支援を提供する者の中には、英国の関連企業500社以上を代表するBPR、エレン・マッカーサー財団、慈善団体の廃棄物資源行動プログラム、RPCグループ****、工業界大手のモットマクドナルドなどがいる。
 
1ポンド≒148円(2018年5月9日)
 
* 英国の高級スーパーマーケット
** 航海家のエレン・マッカーサー氏が2010年に設立した、循環型経済への移行加速を目指すイギリスの財団
*** 最新の産業戦略(Modern Industrial Strategy):2017年11月に英国政府が示した政策文書。
**** 英国に本拠を置くパッケージング事業会社。ヨーロッパ最大のプラスチック包装サプライヤーの一つ
 
GOV.UK:UK launches new research and innovation hub to tackle scourge of plastic in our seas and oceans

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