2017年11月27日、英国学士院(British Academy)は初めて芸術、人文、社会科学部(AHSS:Arts, Humanities and Social Science)卒業生125万人を対象にした調査を行い、学位獲得過程において就職に対応できる十分なスキルを身につけることができる証拠を発表した。
AHSS卒業生は全体の卒業生の55%を占めるが、これまでどのようなスキルを身につけ、卒業後どのような進路に進んでいるのか、のデータがなかったが、今回の調査結果では、雇用者側が求めるスキルはAHSSの学部で学ぶこととほぼ同じであった。
- コミュニケーション力とコラボレーション力
- 研究力と分析力
- 独立力と適用力
今回の結果では、柔軟性、適応力の高い者の多くがAHSSの卒業生であり、学位そのものが就業職種とは全く関係なくても雇用者から歓迎されていることが明らかになった。
報告書ではAHSS卒業生の経済への貢献度も調査している。それによるとウェブデザインから公務員、教職から金融サービスまで、実に様々な分野で活躍をしている。Financial Times Stock Exchange 100社(FTSE100)の中で実に58%の企業のトップがAHSSの卒業生であった。
また、英国経済の80%近くが所謂サービス業といわれる法律業、会計業、ホスピタリティ、小売業、広告業に由来しており、これらすべての分野でAHSSのスキルと知識が必要とされている。
英国学士院は人文、社会科学分野の国家的機関であり、発表された報告書は2020年まで実施しているスキルに関する研究プログラムの一環で初めて発行されたものである。
BRITISH ACADEMY:Future-proof grads:new study pinpoints arts, humanities and social science graduates’ skills