2018年5月21日、メイ首相は科学及び最新の産業戦略に関する演説を行ったと英国政府は発表した。
演説の中では、
- 科学と研究への投資によって英国を新しい技術と新しい技術がもたらす利益の最先端に留めおくことができること
- より傑出した学校や世界を先導する大学、英国経済を動かす技術的な能力を通じて将来の才能を育むこと
- (経済活動が盛んな)ロンドンや南東部だけでなく国中で、企業を支えインフラを建設することにより、アイディアと閃きが生まれる場所である、人々の住む場所や働く場所の形を変えていくこと
等が述べられたほか、最新の産業戦略では科学・研究・技術革新への公的予算について過去40年で最大の増となる7億ポンドが増額されること、政府として2027年までに研究開発投資の目標額をGDPの2.4%(約80億ポンドとなる見通し)とすること等に触れつつ、科学技術が産業戦略の核心であることが強調された。
また、同演説では、英国のEU離脱が科学にもたらす影響への懸念について、英国居住の科学者の半数以上が海外出身だが、離脱後もこの状況は変わらないことを保証するとしつつ、EUの科学・技術革新計画とも全面的に提携してゆくと表明し、応分の財政拠出の代わりにふさわしい影響力を維持すると述べている。
GOV.UK:PM speech on science and modern Industrial Strategy: 21 May 2018
(参考:同演説に関するBBCの報道)
BBC News:PM will pay to have ‘full association’ with EU research(2018年5月21日付け)
【関係機関の反応】
英国大学協会(UUK :Universities UK)
同演説の内容を肯定的なものと捉えつつも、英国の大学が質の高い留学生や能力のある教職員を引き付けられるような新しい移民政策の必要性を指摘するコメントを発表した。
Prime Minister calls for ‘option’ to associate to next EU research programme(2018年5月21日)
ラッセルグループ(RG:Russell Group)*
同演説の内容を喜ばしいものとしつつ、高等教育界の視線は夏までに公表するとされている移民白書の内容に注がれている、とするコメントを発表した。
RG:Response to the Prime Minister’s speech(2018年5月21日)
1ポンド≒149円(2018年5月21日)
*ラッセルグループは、英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。