【ニュース・イギリス】次世代エンジニア育成のための画期的なキャンペーンの開始

2017年11月16日、教育省は「エンジニアリング2018」キャンペーンの立ち上げを発表した。
100社以上の産業界のパートナーが参加し、年間を通じて若者にエンジニアリングに接し体験する機会を提供することになる。

 

テクノロジー、ヘルスケア、食糧生産からエネルギー、文化や輸送まで、ありとあらゆる分野の関係団体が参加して、産業界、国会議員、父兄や教師達を活気づけることで次世代のエンジニアを育てることを目的としている。

 

キャンペーン活動はシェルグループによる児童生徒を対象にした「将来のエンジニア向けエネルギークエストプログラム(Tomorrow’s Engineers Energy Quest programme)」に対し£100万(約1億5千万円*)の出資、出版業Usborne社による子供向けエンジニアリングの本の出版、家族向けの工場見学ツアーなど、大規模なアウトリーチプログラムが含まれる。また、個人的な活動として、父兄が子供の算数の宿題を手伝うこと、コードクラブに参加させること、エンジニアが自身の経験を学校で語ったりSNSを通じてシェアしたりすることなども含まれる。

 

このキャンペーンは、英国が年間約20,000人の技術者不足に陥るという推計、及び技術関係企業の約半数が技術者不足により業績に悪影響が出ているという報告を受けて立ち上げられたものである。あらゆる層の若者にエンジニアリングの経験を直接させたり、身近なロールモデルと交流させたりすることで、エンジニアという職業のもつ豊かな想像性や革新性を実感してもらい、将来エンジニアになりたいという若者を育てると共に、エンジニアのうちの91%が男性であり、94%が白人であるという現在の偏りを解消することを目的としている。

 

パートナー企業として、シーメンス、自然博物館グループ、Ocado(スーパーマーケットグループ)、Usborne(出版業)、BAE Systems(セキュリティ関係)、Crossrail(鉄道会社)などが支援を表明している。政府は年間を通じて学校訪問や展示会、見学会などを企画している。

 

*£1を150円にて換算

 

GOV.UK:Government announces landmark campaign to inspire next generation of engineers

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