【ニュース・イギリス】政府が研究開発に記録的な投資

2017年11月20日、メイ英国首相は研究開発分野に対して記録的増額投資、及び英国内の都市を結ぶ交通システム整備に対する新たな投資を発表した。これは産業戦略の一環で、生産性の向上と英国内でのより高額な雇用を創出することが目的である。

 

【研究開発費への投資に関して(抜粋)】
産業界と協力して2027年までに研究開発費をGDPの2.4%に引き上げる。これにより公共及び民間セクターへの研究開発投資が今後10年間で£800億(約12兆円*)増加する可能性がある。2021~2022学事年度から追加投資として£23億(約3,450億円*)の投資を開始し、研究開発費の全投資額は同学事年度だけで£125億(約1兆8,750億円*)になる。

 

メイ首相のコメント:

私が首相になって始めて取り組んだもののひとつが産業戦略の策定である。産業戦略によりハイクオリティなビジネス創出を助け、高賃金の仕事を創出することを目的とする。産業戦略は英国を将来、産業分野において世界的なリーダーに押し上げるだろう。人口知能(AI)、ビックデータ、クリーンエネルギーから自動運転自動車まで、チャンスをモノにするときである。
今後5年間でGDPの研究開発費への投資を増加させ、1980年代のレベルまで回復させる。これは昨年発表した、投資額を2015~2016学事年度の£90億(約1,350億円*)から2020~21学事年度には£120億(約1兆8,000億円*)にまで引き上げると公約したことに基づくものである。

 

来週月曜日(2017年11月27日)に発表される産業戦略白書では、英国の強い分野であり、かつ我々の将来を形作る世界的潮流を反映した4つの大きなチャレンジが発表される。それらは人工知能(AI)とデータエコノミー、低炭素社会、健康な高齢化、そして将来の流動性である。政府は産官学と連携し、わが国の得意分野を伸ばし英国経済の成長を確保するため努力していく。

 

*£1を150円にて換算

 

GOV.UK:Record boost to R&D and new transport fund to help build economy fit for the future

 

【各機関の反応】

 

UKリサーチ・イノベーション(UKRI:UK Research and Innovation)/暫定最高責任者Mark Walport卿
政府が研究開発費の支出に意欲的な目標を掲げたことは喜ばしい。このようは大胆な行動は英国が研究・イノベーション分野において世界のトップの座を維持することを裏付けるだろう。
この責任を果たすには協調努力が必要である。UKRIはすでに産業戦略の一環として様々なアイディを展開させており、これらの投資が最大の効果を出すための努力をしている。政府、産業界、学術界と今後も協力し、目的の実現のため生産性を高め、生活水準の向上に貢献していきたい。

 

UK Research and Innovation:UK Research and Innovation welcomes Government R&D commitment

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