【ニュース・イギリス】政府、大学入学資格取得後の大学入学制度の検討を計画

 
 2020年11月13日、Gavin Williamson教育大臣は、現行の大学入学制度及び大学入学資格取得後の大学入学制度に移行する可能性を再検討
する計画を発表し、イングランドの学生は、現行の大学入学制度を変更する提案の下では、最終成績を受け取るとすぐに、大学からのオファーを
受けることができるだろうと述べた。

 
 また、Williamson教育大臣は、大学入学資格取得後の大学入学制度を検討する意向を概説し、政府は、不正確な予測成績に基づくことが原因で、
一部のグループが現在直面している “不公平を取り除く” ための提案について検討を行うと述べた。

 
 2019年の大学入試機関(UCAS)のデータによると、少なくともAレベル3科目の大学に受け入れられた79%の英国の18歳が、過大に評価された
一方で過小に評価されたのは8%であった。

 
 学生が大学を選択し、大学は予測された成績に基づいてオファーを提供するイングランドの現行の大学入学制度は、成績がより過小に評価される
可能性が高い恵まれない環境出身の成績優秀者に不利に働く
ことになる。University College LondonのInstitute of Educationの研究によると、
およそ4分の1の低所得世帯の高い能力を持った出願者が、2013年から2015年の間で成績が過小評価されていた。

 
 この現行の大学入学制度の下、例えば広範囲に及ぶ無条件オファーのような多くの損害を与える慣行が表面化している。さらにWilliamson教育
大臣は、以下のように述べた。
 
「大学に通う恵まれない学生の数が、記録的多数になった事実は歓迎すべきである。しかし現行の大学入学制度は、最も恵まれない環境出身の
最も優秀な学生を失望させている。予測された成績を利用することにより、学生が自ら達成できることを認識する前に、その大志を制限して
しまっている。我々は、低い志と不公平の原因となる制度を変える方法を探求する必要がある。我々は、高等教育において最も有望な機会に
若者を駆り立てることができる大学入学プロセスを実現するために、最も良い方法を探求している。現在、教育セクターにとって困難な時期
である。しかしコロナ渦は、政府が条件を平等にすること及び学生が成功するための最高な機会を持つことを止めることはできない。」

 
恵まれない学生は、恵まれている同レベルの学生より低いレベルの課程に入る可能性がより高くなり、その後、当該学生は大学を中途退学する可能性、
より低い学位を取得する可能性、そして就業しても所得が少なくなる可能性がより高く
なる。

 
 なお、学生が最終成績を受け取った後で大学からのオファーが作成される制度に移行することは、急上昇する無条件オファーの使用に終止符を打つ
ことにもなる。

 
 UCASやSutton Trustなどを含む教育セクターのグループは、大学入学資格取得後の大学入学制度に移行することの恩恵を強調している。
Sutton Trustが行った最新の世論調査によると、3分の2の若者が現行の制度より、より公平になると考えていることがわかった。

 
 政府は、学生の利益を最大限にするため、学校、カレッジそして大学から意見を募るとともに今後数ヶ月の間に協議のための提案を
行おうとしている。


教育省(DfE): Government plans for post-qualification university admissions

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
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