【ニュース・イギリス】技術界が、AI産業を数百万ポンドの投資で支援

 
2018年4月26日、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS:Department for Business. Energy&Industrial Strategy)は、英国を人工知能産業の最前線に置くとして、10億ポンドの投資を行うことについて以下のように発表した。

  • 50以上の大手技術系企業や機関が、AI分野協定の進展のためにおよそ10億ポンド相当の拠出を行った。これには英国産業界への約3億ポンドの投資も含まれている。
  • 政府から資金を与えられた千人のAI博士たちが、英国をイノベーションの最前線に立たせ続け、AI研究の中心地としての英国の地位を築く。
    本日、BEISのGreg Clark 大臣とデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS:Department for Digital, Culture, Media and Sport)のMatt Hancock大臣によって発表されたAI分野協定(注:AI分野における政府と産業界の協定)には、英国を世界におけるこの分野(AI技術)のリーダーとするために、新たに配分される3億ポンド以上の政府資金も含まれている。
    政府の最新の産業戦略*や、同戦略内の「AIグランドチャレンジ」での公約に基づき、この協定は、2030年までに英国が2,320億ポンド(GDPの10%)に及ぶAI関係の売り上げの可能性を手にすることを目的とした、AI分野での技術革新を重点に置いた大型投資推進の第一歩を記すものである。

 
AI分野協定は、2017年の英国技術界への記録的水準の投資に続くもので、下記のような新規投資を含んでいる。

  • 日本のベンチャーキャピタル会社グローバル・ブレインが同社初の欧州本部を英国に設置し、英国における深い技術レベルでの事業立ち上げに3,500万ポンド投資する。
  • University of Cambridgeが1,000万ポンドの新しいAIスーパーコンピュータを公開し、企業に使用可能とするためのインフラを整える。
  • バンクーバーに拠点を置く一流ベンチャーキャピタル会社Chrysalixも欧州本部を英国に設立し、そこからAIやロボット工学に最高1億1,000万ポンドの投資をする。
  • The Alan Turing Institute とRolls Royceは、データ科学がどのようにすれば大規模に応用可能か、サプライ網へのAIの応用、データ中心工学と予測的メンテナンス、そして科学におけるデータ解析とAIの役割について調査する共同研究事業を行う。

 
1ポンド≒151円(2018年4月26日)
 
*最新の産業戦略(Modern Industrial Strategy):2017年11月に英国政府が示した政策文書。
 
GOV.UK:Tech sector backs British AI industry with multi million pound investment

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