【ニュース・イギリス】学生数の増加は入学生の質の低下には繋がらない

 
2018年6月4日、英国大学協会(UUK:Universities UK)は、昨年の学生が入学時点でUCASの試験結果表*による点数換算において平均340点相当の成績を得ており、2011年の平均である313点相当を上回っているという分析結果を以下のように発表した。

 
2017年、イングランドの高等教育機関におけるフルタイムの学部課程には、英国出身の39万人の学生が受け入れられており、この人数は10年間で10万人以上増加している。

 
この分析(「大学入試における成長と選択」)では、BTECs**のような職業資格も大学入試において広く評価されていることが示されている。

 
UUK会長のAlistair Jarvis氏は、この分析は大学入試の性質が変化していることを示すものだとし、以下のように述べている。

 
「大学システムの変革は、学生数の増加、それらの学生への選択肢の増加、そして大学間の競争の増加に繋がった。この分析では、大学の入学生が引き続き高い質を有し、職業資格により入学を認められた志願者があらゆる種類の大学で増えているということが示されている。このことが、幅広い範囲と出自を持つ人々が大学教育の恩恵を受けることを可能としてきた。

 
建築学や工学といった伝統的な学部課程から、サイバーセキュリティの訓練課程のようなより新しい課程へと、大学における職業教育に焦点を置いた課程の幅は大きくなってきている。実際に、10校に4校の大学の課程が何らかの点で職業教育的であるとみなすことができる。」

 
(注:イングランドでは2014年から2016年にかけて、大学が入れることのできる学部学生数の上限が撤廃されている。)

 
*英国のNGOである大学入試サービス(UCAS)が行っている試験の結果表。なお、UCASの試験は英国の大学の大半が利用している。
**特定分野の職業に関する試験で、多数の段階・分野に分かれている。
 
UUK:University entrants remain highly qualified

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集、高技能職業人材の育成
統計、データ 統計・データ
レポート 海外センター