【ニュース・イギリス】学生の自殺防止に関する大学のための手引書

2018年9月5日、英国大学協会(UUK:Universities UK)は、パピルス(注:若者の自殺防止に貢献している英国の全国的慈善団体、PAPYRUS)とともに、学生の自殺防止を支援するための手引書を公表した。

 

この手引書は、UUKの年次総会に合わせて発表されたもの。内容としては、学生の自殺を防止するための行動、学生が苦境に陥った際の干渉、学生の自殺が生じた際の対応事例、パートナーシップ活動を通じた自殺防止取り組みのケーススタディー、大学のコミュニティを安全に保つために取りうる手段のチェックリストといった分野にわたり、自殺の防止に特化した戦略を立てる上でのアドバイスを含んでいる。また、利用者別に、大学の指導者層向けのものと専門家向けのものの2種類が公開されている。

 

Universities UK:Guidance for universities on preventing student suicides

 

なお、関係する取り組みとして、UUKは8月15日付けで、学生のメンタルヘルスに関するオンライン資料を開発したStudent Minds(注:英国の慈善団体)のプログラム開発課長によるコメントをウェブサイトに掲載し、同オンライン資料について紹介している。

 

これらの資料は、これから学生になる子供等に向けたものと、既に学生である若者に向けたものの2種類からなっている。
前者は、対象となる子供等が学生となる時に遭遇するような状況を予想し、特定し、そして安全に切り抜けさせるためのものであり、請求書の支払い、学習方法、同居人の問題、アイデンティティに関する疑問等について、そしてどのように良好なメンタルヘルスを維持し、必要な時に助けを求めるかが全体にわたり述べられている。
後者は、対象となる学生がキャンパスで成功することを助けるためのものであり、時間管理、アイデンティティ、家計、性的な行動、精神疾患、自殺や中毒に焦点が当てられている。また、困難な時期を通じて学生を助けるための知恵や戦略、さらなる助けを求める時にはどこに行くことが勧められるかなどの事柄についても記載されている。

 

Universities UK:Student mental health:dealing with the transition from school to university

 

(資料掲載ページ)
student minds:Resources Starting university

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育