【ニュース・イギリス】学生の権利を守る学生局

 
教育省(Department for Education:DfE)は、2019年8月1日に学生局(Office for Students:OfS)が学生の最善の利益を保護するための強力な権限を手に入れたことを公表した。学生の最善の利益をもたらせなかった大学は、8月1日に規制当局であるOfSによる執行権限が発効したため、最高500,000ポンドの罰金を受けることになる。

 
2018年の設立以来、OfS)は高等教育部門における問題、例えば成績優秀者の割合の増加、上級スタッフの報酬レベル、無条件入試受験者の増加などを強調し取り組み、既に大きく前進してきた。

  
OfSは、高等教育の高い水準を保つため、500,000ポンドもしくは、大学の学費や助成金の収入の2%を上限とする罰金いずれか高額な金額を法的に課すことができる権限を有している。

 
これらの権限に加えて、既に大学で改善が必要とされる問題、例えば、恵まれない学生の入学率や成績達成における不均等の解消などを、OfSは大学に登録条件として課すことができる。規制当局は、すでに高等教育機関に対し、満たすべき条件、例えば金銭的支援を含む、高等教育機関が恵まれない学生に対する支援に関してのより確固たる証拠を要求し、学生の収入が低い場合の行動計画を要求するなどの条件を課してきた。

 
8月1日に施行された規制により、2週間以内にAレベルの結果を知り、9月から大学生活を開始する何千人の学生が、高い質の教育を最大限保証される初めての世代となるだろう。

 
Jo Johnson大学担当大臣は以下のように述べている。

 
「今日は、未来の学生と我々の世界レベルの高等教育にとって記念すべき日となる。これらの改革を進めるため、2年前から努力してきた。」

 
「OfSに対する我々の考えは、OfSが実効性を持った規制局となることであり、既に高等教育部門に多大な影響力を有している。今、私はOfSが学生と国がシステムの中心に位置することを保証し、大学からお金に見合った価値を学生が受け取るために、最大限の力を発揮してほしいと思っている。」
 
「8月にAレベルの結果を受け取り、9月から大学生活を始める数千もの若者にとって、OfSは学生の強力な擁護者であると学生たちは確信するはずだ。」
 
「英国の大学は世界をリードしており、この名声が保たれなければならない。私は、すべての学生が、成功し充実した人生に繋がる高品質の高等教育を受けることを保証することに焦点を当てた仕事に戻ることに務めるので、再び大学担当大臣の仕事に復帰することを楽しみにしている。」

 
8月1日から、OfSは大学がこの夏に提出する2020/2021学事年の貧困層に対する門戸の拡大などの計画案に対して登録更新を拒否する権限を有する。

 
学費を値上げすることを望む大学は、例えば貧困層が高等教育に進めるよう支援することを含む「高等教育への門戸の拡大に関する計画書」を作成しなければならない。

 
この計画は、大学がどのようにして過小評価されている学生が高等教育で成功するための機会の質を改善するのかを示すものである。もし、高等教育機関がこれらの必要事項を満たさない場合は、OfSは介入し適切な措置を講じる。

 
OfSは大学が学生の利益のために機能していないと判断すれば、高等教育機関の登録に追加の条件を加えることで行動を起こし、登録を拒否したり、最も深刻な場合は高等教育機関の学位授与の権利を取り消す。
 
今回の動きは、学生の経験を強化する大学の能力を強化し、大学が世界的基準を維持する手助けをし、学生の最も利益になることを行わない高等教育機関に異議を唱えるだろう。
 
gov.uk: Universities regulator gains full powers to protect students’ interests

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