英国教育省は2018年6月28日付けで、Sam Gyimah大学担当大臣が学生のメンタルヘルスに関する新たな基準を設けるという発表を行った。
大臣は、大手慈善団体と高等教育機関が連携して新しい憲章(注:上記の基準を指す)を設け、大学が適合すべき一定の基準が示され、また大学に対し「学生世代を見捨てるようなことがないよう」同意するよう呼び掛けるということを、大臣主催の学生メンタルヘルスサミットで公表するとした。
また、担当大臣による一連の新しい学生メンタルヘルスの施策の一つとして以下が発表された。
- 大学メンタルヘルス憲章の公表で、学生と教職員のメンタルヘルスや幸福を促進する新しい基準を発展させること。
- 学生が、特に重要な学生初年度における変化について正しい支援を受けられるよう、大学入学によって学生が直面する変化に対応する教育省主導の部会の創設。
- 大学にとって選択式となる要件を検討すべきかどうか調査が行われること。この要件は、大学が、両親または信頼できる人物に学生のメンタルヘルスに関する情報を共有する許可を得られるようにするためのものである。
とされている。
同大臣は、「こうでもしなければ学生世代をまるごと見捨てるような危険を冒してしまうので、この重要な行動指針を大学が支持することを期待している。」などと述べた。
なお、英国の慈善団体であるStudent Mindsが各機関を主導する形のパートナーシップでメンタルヘルス憲章が作成される。このパートナーシップには、UPP Foundation(University Partnerships Programme Foundation)、学生局(OfS:Office for Students)、英国学生連合(NUS:National Union of Students)、英国大学協会(UUK:Universities UK)が参加する。
GOV.UK:New package of measures announced on student mental health
ラッセルグループ*はこの政府発表を受け、現状でも既にラッセルグループの大学や高等教育界は相当の努力をしているが、大臣、慈善団体やラッセルグループのパートナーと協力できることを楽しみにしているという趣旨のコメントを7月28日付けで掲載した。
Russell Group:Student Mental Health Charter
(参考:本発表を取り上げたBBCの報道)
BBC:Student mental health support must improve, universities told
*ラッセルグループは、英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。