2022年11月28日、リサーチ・イングランド(Research England: RE)は英国大学協会国際部(Universities UK International: UUKi)と提携し、革新的な英国-ウクライナの大学での姉妹校提携の取組に対して支援することを発表した。
REが500万ポンドの支援を行うこのスキームをUUKiのCormack Consultancy GroupとUUKiが主導し、ウクライナの大学や研究者に対する支援を行う。このプログラムは、ウクライナの機関や職員、学生の支援を行うことを目的とし、英国とウクライナの大学が資金や支援を共有することで、連帯と互恵を示す。
研究とイノベーション能力の向上
REの資金提供はUUKiのプログラム募集で奨学金の授与として行われ、将来の研究やイノベーション能力の向上を図っていくものである。
つまり、英国の大学では下記のことが可能となる:
- ウクライナのパートナーとの取組の協力拡大と維持。
- 英国の研究部門で将来の危機への対応が容易になるよう、部門横断的な新しい資金提供。
研究現場における実施内容:
- パートナーシップ開発ワークショップ
- 将来の二国間研究協力のための創設資金
- 研究者支援、サマースクール、研究管理スタッフの訓練と開発への参加
- 研究インフラと研究備品一式の支援
- データ処理、研究サービスや電子リソースの利用
- 英国の大学院研究者及び若手研究者の訓練やプログラムの参加
- 研究者や大学院研究者の訪問や能力開発
新たな提携の形成
UUKiはREの投資を利用し、英国の大学のみを対象とした姉妹校提携の利用による競争的奨学金のプログラムの管理をする。
以下のような成果が期待される:
- 英国の大学はウクライナのパートナーと長期的な戦略パートナーシップを形成し、両機関及び両国全体の研究とイノベーションの優先課題を支援するリソースを持つ。
- 英国が将来の危機に対応するためのリソースや能力を共有。
- 英国を危機対応の世界のリーダーとして位置付ける、研究やイノベーションの共有を形成できるパートナーシップ
- ウクライナの大学を拠点とした研究やイノベーションのエコシステムは現在の危機的状態を超えても支援される。
3つの要素
REの500万ポンドの投資には3つの要素を網羅する:
- 研究やイノベーション(R&I)の課題に対処する姉妹提携の助成金(UK-ウクライナのR&I姉妹提携計画):この助成金は、英国とウクライナの機関の研究者が相互で同意した独自のプログラムを支援する。
- キャパシティと回復の構築のための異種分野活動戦略:姉妹提携からの洞察を基とした、将来の回復と危機対応能力を築くための多くの異種分野活動のコンサルティング・プロジェクト。これにはウクライナ危機に関する英国高等教育機関の対応に関する研究界からの枠外活動の見直しも含まれ、将来の対応のための教訓を特定する。
- 調整、管理、教訓:これには研究界の横断的な活動や姉妹提携間の優秀実績を共有するイベントも含まれる。
英国-ウクライナ姉妹提携プログラム
2022年夏に始まった英国-ウクライナ姉妹提携プログラムは、すでに100件のパートナーシップを作り上げている。
その一部として:
- Cardiff University とNational University Zaporizhzhia Polytechnic
- Queen’s University Belfast and Borys Grinchenko Kyiv University
- St Andrews University National とUniversity of Ostroh Academy
- University of Cambridge とKharkiv National Medical University
REの資金提供は1年間のみである。
UK Research and Innovation:Research England invests in UK-Ukraine university twinning scheme
地域 | 西欧、中東欧・ロシア |
国 | イギリス、その他の国・地域 |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
行政機関、組織の運営 | 予算・財政 |
研究支援 | 研究助成・ファンディング |