2022年10月25日、英国大学協会（Universities UK: UUK)は、新しい報告書を発表し、その中で英国の大学こそが英国の経済成長の大きな役割を担うことができると主張し、Rishi Sunak新首相と新政府に対して、その達成をするための条件を構成するように要求した。

• 英国政府は、2024年から2025年までに研究開発に毎年200億ポンドを投資する計画を推進する必要。
• 大学企業ゾーン（University Enterprise Zones: UEZ）を全ての大学に設置する。
• 事業や機会の活動の拠点を作ることで、地域社会の団結を図る。
• 我々を大学と雇用者のパートナーシップにおける世界リーダーとする。
• 英国の至る所で、大学を政策立案の中心の場とする。

 
UUKから同日発表された「Our universities: generating growth and opportunity (我々の大学：成長と機会を創る)」では、大学は経済成長に貢献する方法を探っており、スキル開発、Help to Grow 計画の構築、UEZの急速な拡大など、いくつかの提言をしている。

 
Nottingham、Liverpool、Hertfordshire、Bradford、Bristol(UWE)でのUEZの成功は、大学と地域社会と雇用者の間で積極的で影響力のあるパートナーシップを育むことにいかに役立っているかを強調している。スキル開発のための活動の共同拠点を構築することで、大学は置き去りにされている地域に手を差し伸べることができ、地元の人々に様々な機会を創出することができる。UEZsと大学は、最近政府によって進めれている成長の奨励に役立つ新しい提案の一つであるInvestment Zonesの成功を支援するための主要な役割を果たすことができる。

 
研究インフラに投資することは、新しい事業や良い雇用を創り、画期的な製品やサービスを開発し、それらが経済成長を導くために大変重要なことである。

 
現在、今後5年間で、英国の大学は21,200件の新規事業の設立を支援し、116億ポンド以上の支援とサービスを中小企業、事業、非営利団体などに提供すると予想されている。これには、画期的な商品開発のための専門家からのアドバイス、訓練、最新の施設や設備の利用、独自の研究プロジェクトの実施なども含まれている。

 
英国政府の優先課題は、経済成長を刺激することである。新報告書にある数々の提言は、その目的達成のための様々なアイデアを提示し、成長支援のために大学がいかに適切な場所であり、重要であるかを強調している。

 
備考：

• イングランドの5大学のうち4大学は地域の中小企業のための問い合わせ先を設けており、すでに多くの無料アドバイスを提供している。英国の大学では平均で2時間に1社が起業している。
• UUKでは柔軟なコースを通して人生の中でいつでも勉学、訓練、再教育ができる18歳以降の教育ローン制度の導入（生涯ローン資格）を支持しており、大学―企業のよりよい提携は、この成功のカギなると信じている。
• University of Nottingham、University of Bradford、University of the West of England (UWE Bristol)は、UEZの優秀な実例があり、スタートアップ企業のために場所の提供や共同研究プロジェクトの支援を行っている。
• ビジネス・エネルギー・産業戦略省（Department for Business, Energy and Industrial Strategy : BEIS）は、最近の発表でNottingham Trent University でHelp to Grow : 管理コースの受講資格内容の拡大を発表した。新しい規定では10人以上の従業員がいる企業は2人目の参加者もコースに参加できることになった。また、以前Small Business Leadership Programme (SBLP)に参加したことのある中小企業からの参加についても範囲の拡大をした。従業員が10人以上でSBLPにすでに参加したことがあるのであれば、Help to Grow : 管理コースに2人を推薦することができることになった。
• 政府がUEZに1ポンド投資すると、UEZは4.50ポンドの追加投資を生み出す。
• 大学と関連しているスタートアップやスピンアウト企業は、平均的なスタートアップ企業より生存率が高い。
• 大学提携の加速器やインキュベーターは、早急な売り上げと雇用の成長に関連している。
• 最も革新的な企業は、より多くの大学卒者を採用している。
• 高等教育機関への投資は、建設、コンピュータ製造、電子機器、行政、防衛、医療関係の投資との比較では1ポンド当たりの雇用機会数がより多い。

英国大学協会（Universities UK: UUK)：Universities suggest ways of sparking growth across the UK