【ニュース・イギリス】学生はどのようなコースであっても質の高い教育を期待するべき‐学生局のブレンド型学習のレビューの回答

 
2022年10月19日、大学やカレッジは、ブレンド型学習を採用する場合、質の高い学術経験を行っているという要望を確認するべきであると学生局(Office for Students: OfS)は発表した。

 
OfSが委託し、De Montfort University の教育、副学長であるSusan Orr教授の主導により、ブレンド型学習の見直しが行われた。OfSは、大学やカレッジに対して、OfSの登録条件に満たしているかの確認のため、ブレンド型学習と教育に対する方法の見直しを求めた。

 
OfSが指名した審査員は、この調査の一環として高等教育機関の学生や職員と面接を行った。調査委員会は、良い実例の特定と同時に劣っている実例も特定した。調査委員会は23の勧告を行った。

 
それを受けて、OfSはOfSの質や消費者保護要件の関係で規制上の懸念を引き起こす可能性があるブレンド型学習のやり方を突き止めた。調査委員会の主な調査結果は下記の通り:

  • 学生の学習をサポートする質の高いブレンド型学習のやり方および革新的な事例があった。
  • オンライン学習で劣る事例やオンライン学習設備などが劣る事例があった。
  • 対面とオンライン学習のバランスは、教育の質を決定する重要な要素ではない。
  • 学生はオンライン学習では対面学習よりもタイミングの悪い、または質の低いフィードバックを受けたと報告している。
  • 学生は、全国規模のロックダウンの際にオンライン学習は孤立しているように感じたと報告し、同級生とのネットワークや孤立していた期間の支援の欠如のため、学術コミュニティーへの所属意識にマイナスの影響があった。

 
調査委員会の報告書には大学やカレッジに対して下記の内容を行うことを求める勧告を定めた。

  • 学生は、コースへの応募の時や登録後にはブレンド型学習方法にどのようなことを期待するのか、明確な情報を知る必要がある。
  • 昨年度の未編集講義は、再度使用する前に慎重に検討し、すべての情報は正確でありその内容が最新のであるかを確認すること。
  • 学生数の増加は、ブレンド型学習を推進する理由ではなく、健全な教育原則によるものでなくてはならない。
  • 学習と教育の方法により、学識者はどこで学生がオンラインの内容で苦労しているのか、遅れを取っているのかを特定し、学生の学習の必要性に対応することができるようにする。
  • 大学側は出席や授業中の関与に関する障害を特定し、対処する。
  • 大学側は学生と学生組合と協力し、ブレンド型学習の経験を評価する手段(調査、フォーカスグループ、所属団体なども含む)を作る。

 
これに対し、OfSは大学やカレッジが規制要件をちゃんと守っているか検討するべき内容として下記を挙げている:

  • オンライン講義は最新で質の良いものであること。
  • オンラインでのフィードバックはタイミングよく、学生が対面学習の際に期待するのと同等のものであること。
  • オンラインと対面学習のバランスの決定は、増加した学生数の便宜または物理的なスペースの制限のためではなく、健全な教育原則に基づくものであること。
  • 学生は、それぞれのコースがどのように実施されるか明確で詳細な情報を得る。
  • 学生や職員は、オンライン学習を効果的に実施するために必要なスキルの取得のためのサポートを受ける。

学生局(Office for Students: OfS):
Students should expect high quality teaching, however courses delivered – OfS responds to blended learning review


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育、質の保証