【ニュース・イギリス】Covid-19による懸念にも関わらず学生数が増加

 
2020年9月24日、Research Professional News は、大学入試機関(UCAS) のデータによると、今年、英国籍の学部学生及び海外からの学部学生が増加していると報道した。

 
A レベル試験の成績評価方法の変更に係る混乱 (※1) やコロナ禍による懸念にも関わらず、今年、第一志望の大学に決まった学生の数は増加している。

 
9月24日に公表された UCAS のデータによると、学部学生については、A レベル試験の結果が発表された日から28日後に397,990人の学生が入学する大学を決めており、昨年の同時期より学生数は5%増加している。

 
全体としては、入学を決めた学生の数は4%増加し515,650人となっている。入学先の決まっていない学生が空きのある課程を探す公式のクリアリング の締め切りは10月20日であるが、UCAS は、過去数年は同様な傾向を示し、95%の学生がこの時点までに決定していると述べた。

 
コロナ禍の最中、どれくらいのオンライン教育を学生が受けるのかについての不確実性は、学生の入学を思いとどまらせ、また、政府の A レベル試験の成績評価方法の変更は、入学プロセスをゆがめるのではないかという懸念があった。

 
英国の大学に入学する留学生の数のかなりの減少の恐れが広がったにも関わらず、昨年の40,120人に比べ、今年は42,930人の EU 圏外からの留学生が入学することが見込まれている。EU からの留学生は2019年の30,050人から2020年は28,440人に減少した。

 
全体で、来年に入学を先延ばしにした英国の学生は、比較的変化はなく、18,160から18,410人に増加している。イングランドの当該学生は、16,900人であり、昨年より300人増加している。

 
しかし、入学を先延ばしにした留学生の数は、過去数年は同様の数字となっていた2019年の1,430人から2,700人に増加している。

 
全体で英国の最も恵まれない環境出身の28,030人の学生が大学の入学を決めており、昨年より8%増加している。UCAS は、当該値により、大学に進む恵まれない環境出身の学生数が史上最多の数となったと述べた。

 
※1  Aレベル試験は、毎年5~6月に実施されるが、コロナ禍のため2020年は中止となり、当該試験の代わりとなる成績評価を、当該Aレベル試験を行っている資格・試験監査機関の Ofqual が実施することとなった。Ofqual が開発したアルゴリズムによると、学校から提出された教員の予想成績が例年に比べインフレを起こす(例えば、A グレード及びそれ以上では2019年の結果と比べ12.5%高くなっていた)などしていたため、公平性を確保するため調整を行った。調整の結果、当該成績の40%が教員の予想成績より低下したり、私立学校に比べ公立学校の学生の成績が不利になるなどしたため、当該結果に不公平を訴える学生によるデモが起きるなど問題が顕在化した。8月17日、政府は Ofqual による成績評価をとりやめ、教員の予想成績を最終成績とすると発表した(ただし Ofqual による成績の方が良ければ当該成績を最終成績とした。)。


Research Professional News: Student numbers rise despite Covid-19 fears


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