2022年6月30日、Science Business は英国のホライズン・ヨーロッパへの参加に関する最新情報を伝えた。
昨日の最終決定期限を受けて、欧州研究会議(ERC)は、19人の英国を拠点とする ERC 助成金資格者が、助成金の受け取り維持のため、英国を離れることを決定したことを発表した。
助成金資格者は、助成金の受け取りのために EU 圏に居住するか、英国に留まって英国政府から ERC の資金と同様な資金提供に頼るか苦渋の選択に直面した。
ERC の広報担当者は「英国を拠点とする研究者のための115件の資金提供の準備は、6月29日の期限を過ぎたことで、終了する。」と述べた。
「英国を拠点とする19人の研究者の資金は、EU または参加国の受け入れ機関に移行される。」
ERC によると、「まだ解決していない」ものが12件あるという。
ホライズン・ヨーロッパの規定により、資金受取対象者は EU もしくは参加国に限られており、英国の助成金受取資格者は受け取ることができない。ERC は、今年4月に対象者に対して EU へ居住するか資金の受け取りをあきらめるか決断するように伝えていた。
英国政府は、ホライズン・ヨーロッパの資金を失う英国の研究者のため、同様な資金提供を保証する計画を打ち出したが、ERC のような名声のあるものに匹敵するのか疑問が生じている。
2020年の EU 離脱時の協定の一部として、英国はホライズン・ヨーロッパへの参加に合意し、研究者はそのように批准されると仮定し、ホライズン・ヨーロッパに応募していた。
しかし、EU と英国政府は北アイルランドの議定書をめぐって関係が悪化し、欧州委員会は英国の参加に対しての署名を拒否した。
現在、英国がホライズン・ヨーロッパへ参加する可能性はますます無くなってきており、科学大臣の George Freeman 氏は、この夏に代替案として「Plan B」が発表されることを公言している。
当初、英国の ERC に対する意思決定の締め切りは6月初めであったが、6月29日に延期されていた。
Science Business:
European Research Council withdraws the grants of 115 researchers based in the UK, as 19 scientists decide to relocate
地域 | 西欧、EU |
国 | イギリス |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
研究支援 | 研究助成・ファンディング |