【ニュース・イギリス】英国のEU離脱に係るEUとの研究関係の取り決めの概要(2)

 
交渉の継続

 
EU と取引をすることは、半永久的な交渉を受け入れるということである。英国は、5つのプロジェクト各々に参加するために EU とさらなる合意を
図るため交渉を行う必要がある。

 
Horizon Europe に関する提携協定と呼ばれる交渉は、数ヶ月かかる可能性がある。Horizon Europe においてトップの準会員国になることは、英国を
拠点とする研究者がプロジェクトをコーディネートすることを許されること
を意味する。もし最初の Horizon Europe の公募が発表される時までに英国
との合意がなければ、欧州委員会はプログラムへの暫定的な参加資格を引き続き与えるかもしれない。

 
カナダや日本のような遠いEU圏外のパートナーへの Horizon Europe のさらなる開放は、ブレグジットによって窮地に立たされた。EU のブレグジット
の交渉者は、ブレグジットの主な取引を台無しにする恐れがあるため、英国の条件がどのようなものかについてあらゆる議論を禁止した。

 
つまり欧州委員会は他のどの国とも関係の詳細について話すことも消極的であった。しかし今はこの障壁は取り払われ、EU 圏外の国々との研究の
取り決めをホストすることを正式に決定する自由をEUに与えている。

 
緊急ブレーキ

 
英国及び EU の双方は、一方的に英国の Horizon Europe と他のプログラムへの参加を終了させることができる。英国は、参加条件が大幅に変わる
場合、その国の財政的負担が15%増加する場合もしくはプログラムの10%以上から締め出される場合は、45日前の通知でそれを行うことができる。

 
「EU は英国が支払うことについて確実にし、英国は緊急ブレーキをかけられる状態になる。」と欧州大学協会(EUA)の Thomas Jørgensen 調査官は述べた。

 
英国政府は、もし英国の研究者が予想より、より低い Horizon Europe の資金シェアで戻ってきた場合、政府に補償するための何らかの形でのセーフティネットを望んでいた。

 
一時停止と終了

 
もし、英国が財政的負担を行わなかった場合、もしくは英国が参加したときに存在した条件が大幅に変更された場合、EU は45日前の通知で英国の参加
を一時停止することができる。もし EU が一時停止を解除せず、1年経っても状況が解決されない場合は英国の EU プログラムへの参加は終了することになる。

 
移転の自由の終了

 
EU に関して、英国市民は希望する旅行、仕事、学習そして居住の権利を失うことになる。取り決めは移転の自由を終わらせる。EU に90日以上滞在
する英国の研究者にはビザが求められる。

 
学生の交流プログラムの終了

 
英国は、政府が準会員になるのはあまりにも高額だと主張しているEUの学生交流プログラム「エラスムス+(Erasmus+)」から離脱し、1億ポンド
の代替プログラムであるチューリング計画(Turing scheme)を2021年9月に開始する。

 


Science Business: UK-EU research deal at a glance


地域 西欧、EU
イギリス、その他の国・地域
取組レベル 国際機関レベルの取組、政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
大学・研究機関の基本的役割 教育、研究
研究支援 研究助成・ファンディング