【ニュース・イギリス】英国内務省で過去最高の学生ビザの発給

 
2021年11月29日、PIE News は英国の 内務省 が2021年9月までの1年間で428,428件のスポンサーのある就学ビザを発給したことを伝えた。これは前年比としては142%増、COVID-19 以前の水準と比べて55%の増加という記録なものであった。

 
今回の記録は、申請者本人とその扶養家族を含めて、2010年6月末に記録された307,394件のビザ発給数の記録を破った。2021年9月までの1年間で発給されたビザの上位5か国は中国(135,457件)、インド(90,669件)、ナイジェリア(36,783件)、米国(15,330件)パキスタン(14,845件)でその他の国の総計では135,344件であった。

 
上位5か国のうち、3か国では2019年の数値と比べ、その増加比率は2倍以上であり、インドでは197%(2019年では30,496件)、ナイジェリア368%(7,860件)、パキスタン225%(4,570件)であった。さらにバングラデシュでは2019年にスポンサー付きの勉学助成金が1,981件であったが2021年には10,090件(+410%)に増加し、6番目の大集団となった。

 
政府はこの「劇的な増加」の理由として、学生が昨年の学部開始を遅らせた、遠隔学習の開始のため2020年はビザが必要ではなかった、EU 学生に対する移民法の変更などを挙げている。2017年から COVID-19 による制限が行われるまでの間、学生ビザの発給数は毎年平均して10%は伸びていたので、留学生の一般的な増加との相乗効果もあったと考えられる。

 
このデータは2021年1月1日に移民法の変更に伴って今年第1四半期から第3期まで EEA 圏やスイスからの学生に20,774件のスポンサー付きの就学ビザが発給されたことを示している。これはこの期間において発給されたビザの6%相当である。

 
英国大学協会国際部(UUKi) の部長である Vivienne Stern 氏は、以下のように述べた。

 
「1年間でこれだけのビザが発給されたことは素晴らしいことである。前例のない課題に直面しながら、英国の大学はそれを乗り越えるのみならず、世界中からの学生を歓迎し質の高い経験を与えている。英国政府からの柔軟性、理解、競争力のある政策に支えられて、まさに英国の留学生誘致における驚異的な成果と言える。留学生誘致において既存の課題や機会に対処するように、外国と協調して誘致を進めることを望む。」

 
2021年9月までのスポンサーの概要では、ラッセルグループ以外の高等教育機関は就学許可証明書(CAS)の申請者数は179,176件で、2019年では107,638 件であった。また同様にラッセルグループの大学では、2021年で2019年の214,594件から145,947件のビザ申請が増加した。

 
2021年9月までの1年間で就学許可証明書の申請数の総計は356,559件であった。また今回就学のスポンサーとして登録している組織・機関が引き続き減少傾向にあることも明らかになった。2010年には2,126件が登録されていたが、今年度は昨年より4%減少して1,097の機関が登録している。

 


PIE News: UK home office grants record number of visas


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集