【ニュース・イギリス】研究者の間でREFに関する異なる見解を示唆

 
2021年11月24日、UK リサーチ・イノベーション(UKRI)研究評価制度(REF) に対する大規模な認識調査で、キャリアの段階や研究分野によって意見が異なることを明らかにしたことを伝えた。

 
研究者がどのようにREFを捉えているかについての報告書「Understanding Perceptions of the Research Excellence Framework among UK researchers」が RAND Europe から発表された。

 
4つの高等教育助成機関を代表したリサーチ・イングランド(RE)から委託を受けて大規模な調査が実施された。現在対象機関がREFのための提出準備をしている中、現在のREFに対する姿勢を収集したものである。この調査は3000人以上の研究者のアンケートの回答と、フォーカスグループや個別面談により収集したものである。その対象者は、以下の者である。

  • 研究者
  • 研究管理者
  • 機関の上層部

RE の研究担当部長である Steven Hill 氏のコメント:

 
この報告書により、英国の研究や研究者にREFがどのように影響しているか、また影響があるとされているか、その貴重な情報がわかる。様々な意見の中で興味深いものは研究分野やキャリアの段階で意見が分かれていることである。今後制度評価に取り掛かる際に、この多様な見解も念頭において行うことが重要である。

 
調査結果

 
回答者の多くは、REF は公開性と研究の公共的な関連性の向上に貢献したと考えている。しかし回答者の中で、一部の機関のREFに対する取り組みや、研究コミュニティや英国で実施されている研究の目新しさに対するREF の影響について、懸念が提示された。

 
またこの調査では、確認されるREFの影響と、研究者が認識している REF の影響の程度に関して、特に際立った隔たりがあることがわかった。

 
REF への移行の影響

 
2014年に前回の試みから REF に移行して以来どのように変化があったかについても調査した。全体的に研究者は変化を肯定的に捉えており、特にすべての研究活動を行っているスタッフが対象となり、個人レベルではなくユニットレベルで研究を選択するように移行したことが評価されている。

 
将来の研究評価プログラムへ

 
今回の調査結果は2021年5月に英国の4つの高等教育助成機関によって開始されたプログラムの一環として、将来の研究評価に関しての見解を伝えるものである。UKRI は、REF2021に参加したすべての機関から戦略的な観点からのフィードバックを求めている。

 
加えて、オンライン調査でより広く研究機関からの意見を求めている。その調査は今回の REF 調査結果を利用し、出された意見が、どれだけ広く研究コミュニテイの中で共有されているか調べるものである。

 

UKRI:「Understanding, Perceptions of the Research Excellence Framework among UK researchers」

 


UK リサーチ・イノベーション(UKRI): Report suggests mixed views of the REF among researchers


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