【ニュース・イギリス】医学部、歯学部の入学数をコロナ禍前の状態に戻す

 
2021年10月18日、University Business は高等教育・継続教育担当大臣である Michelle Donelan 氏と保健担当大臣Edward Argar 氏によって 2022/2023 学事年度の募集定員数において医学部と歯学部の上限数は撤廃されないことを伝えた。現在、定員過剰のため2021/2022学事年度の入学を見合わせたものに関しては定員内で扱うようにとも伝えられている。

 
Michelle Donelan 氏とEdward Argar 氏は2022年の医学部及び歯学部の申請受付最終日である10月15日に書簡を大学に送付し、2021年に入学を延期した学生のため定員調整をしないように求めた。

 
また書簡では5月と8月に入学延期や大学申請者が20%増加したことに対応したことは一時的ものであることを踏まえ、「Covid-19 から脱却するために、医学部、歯学部の入学者を持続可能でCOVID-19 以前のレベルに戻すことが何よりも重要なことである。」と述べている。

 
2021年5月、政府は2020/21年の大学入学を延期した学生を受け入れるためイングランドの大学の医学部、歯学部に対して630人分の追加支援金を配分した。さらに、2021年8月、2021/2022年の入学者のため456人分の資金提供を行った。これで、2019/2020年度の就学の許可が出た8400人弱の入学枠から、合計9296人の医学部、歯学部の追加枠が確保されたことになる。

 
この書簡では2021/2022学事年度の調査された目標値が「長期的に将来のNHSの労働力を高めること」ということを認めているが、次のように続けている。「このような規制はいかなる状況でも今年は調整されないだろう。2021年に入学を延期した学生は学生局(OfS)から言われている入学目標数を超えても政府からの援助はない。」

 
Donelan 氏とArgar 氏は高等教育機関に「2022/2023年度及びそれ以降に医学部、歯学部に定員を超える申し込みが行われる危険がないようにオファーを調整するようにお願いする。入学決定にはそれぞれ異なるやり方があると理解しているが、オファーを出す時期をずらしたり、入学数を最初から100%以上にしない、定員に満たない学部を埋めるため補欠リストやクリアリングを利用することを薦める。」と続けて要請している。

 
Russell Group は定員を制限することで、政府が NHS の医師数を増やそうとする計画を反故にすることになることを指摘している。

 
広報担当者は「政府が2021年からの入学延期学生を受け入れるため2022年の医学部、歯学部の定員を増やさないという選択に落胆している。つまるところ、それは今年応募する学生の選択肢と機会を限定してしまうことになる。」

 
「昨年、大学入学の評価が教師による評価に変更されたことにより、予想外に学生の進学数が増え、追加の学生を受け入れるため、大学が最善の努力をしたにも関わらず、一部の学生は入学の延期が必要となった。」

 
「今年、医師や歯科医研修生の応募を制限するのではなく、政府は利用可能な養成所の数を増やし、適切な資金提供をすることで NHS の医師の数を長期的に積極的に支援することができる。過去2年間で過剰となった医学生を育成する追加資金は良いことであるが、5年間に及ぶ質の高い教育や学習を維持するには至っていない。歳出計画は政府がこれから学生を養成していくため持続的な費用をどのように支援していくかを検討するチャンスである。」と語った。


University Business(10月18日): Medical and dentistry places to return to pre-pandemic levels


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 入試・学生募集