【ニュース・イギリス】英国が留学生の渡航先として生き残りたいのであれば、留学生に対する適切なキャリアサポートが必要

 
2021年10月14日、高等教育政策研究所(HEPI)とKaplanはキャリアサポートと雇用可能性に関連する留学生の期待と経験に基づく新しい研究報告書を発表した。

 
報告書「Paying more for less? Employability support for international students at UK universities(高い学費を払いながらこれだけ?英国大学の留学生の雇用適性サポート)」では、高等教育において重要ではあるが、これまでほとんど研究されていなかった部分について、Career Research and Advisory Centre(CRAC)と世論調査会社Cibyl社によって行われた新しい研究内容も含まれている。

 
主な調査結果:

  • キャリアサポートは留学先を決定する上で重要:留学先を決定する上で、圧倒的多数の留学生がキャリアサポート(82%)、雇用に適切なスキル(92%)を受けられることが「重要」もしくは「非常に重要」であると回答している。そして、およそ半分(52%)が自分の所属する大学で留学生に対するキャリアサポートが十分であると答えている。
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  • 雇用に適切なスキルがコースの科目にある学生は満足度が高い:雇用に適切なスキルを学べる学部や大学にいる留学生の75%は満足していると回答しているが、それらのスキルが学べないと答えた学生の満足度は43%に留まっている。雇用に有効なスキルを学べないと感じたコースの学生は、今考えると違う大学の同じコースを選ぶべきだったと答える率が2倍(18%対8%)で、別の大学の別のコースを選ぶべきだったと答える率は3倍(12%対4%)となっている。
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  • 卒業後のキャリアサポートの期待は様々:大学でのキャリアサポートが留学生の母国でのキャリアをサポートするべきか、ということに対して意見が分かれている。42%の留学生はサポートをするべきと答え、42%は期待していないと答えている。
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  • 留学生は英国での就労体験機会を持つことに苦労している:10人中4人(39%)の留学生は大学在籍中に就労体験を全くしていない。場合によっては、これに関しては選択の余地がない。対象者は「6ヶ月間、就労体験に公募したが、全く採用されない。」、「インターンシップは大変競争率が高く、Covid-19によりさらに悪化した。」、「英国の企業は非友好的な移民制度に直面して怖気づいているようである。」と語っている。留学生の大多数(71%)は大学卒業後しばらく英国にとどまりたいと考えており、滞在を考えている留学生の4分の3(77%)は自活できるほどの十分な収入を得られるか心配している。

  
備考:

  • CRAC は2021年6月に学部、大学院レベルなどの留学生を対象に3つのフォーカスグループを開催した。
  • Cibyl 社は2021年8月に118大学から1051人の留学生を対象にオンライン調査を実施し、その結果を基に問題提起を行った。


高等教育政策研究所(HEPI)International students need more relevant careers support if UK is to remain a destination of choice


地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
人材育成 学生の就職