【ニュース・イギリス】大学組合(UCU)、大学に録画された講義の利用について警告

 
2021年9月3日、大学組合(UCU)は、英国中の大学及びカレッジに対し、もし録画された講義を悪用し、教育スタッフに上演権を与えないならば、
労働争議に直面する可能性があると警告した。

 
当該警告は、5つの大学のうち3つが、今学事年度はオンラインと対面での組み合わせで教育を計画しているため、ほとんどの講義がオンラインのまま
になると述べていることを踏まえたものである。

 
コロナ禍の間、大学及びカレッジの教育スタッフは、講義、セミナー及び教育セッションについてオンラインを利用し、順応させ、提供することで、
大学校内を使ったサービスの提供は縮小したものの教育を継続してきた。しかしながら、UCU は、教育スタッフは録画された教育内容に対する管理権
を持ち続けなければならず、人員削減を正当化するためもしくは教育スタッフの争議行為を中断させるために、彼らの教育内容が許可無く使われる
ことがないよう教育プロバイダーに警告している。

 
UCU はまた、教育スタッフは定期的に学生の学習及び教育基準を保護するために教育内容を更新していることから、教育プロバイダーは、後々利用
するために録画を保存するべきではないとも述べた。

 
UCU は、教育スタッフが録画した教育内容に対する管理権を5年間持ち続けることを目的とした上演権)ポリシーについて、現在エクセター大学
係争中である。

 
現在、UCU は、付随する資料の著作権と同様に、これらの録画された講義、セミナー及び教育セッションを提供する者が上演権を獲得することを
受け入れるように英国中の大学及びカレッジに呼びかけている。講義を行うことは、知的財産法において「パフォーマンス」と考えられている。

 
UCU は、教育プロバイダーに、最初のライセンス期間を1学事年度以内にし、関係するスタッフの明示的な同意により延長できるようにするよう求めて
いる。当該提案は、記録の配付を関係する学生のみに制限するとともに、紛争中は、紛争が解決されるまで、紛争中の雇用者の教育内容を使用できない
ようにするため一時停止される。

 
UCU は、「guidance on staff performance rights」を作成し、データ保護及び知的財産に関する法令上の要件を満たすために必要な計画及び教育
スタッフに課される追加の作業負担の見込みについて説明するよう大学及びカレッジに呼びかけている。UCU は、教室とインターネットを組み合わせた
学習形態であるブレンデッド・ラーニングの推進において、教育スタッフの給料及び作業負担が考慮されるよう大学及びカレッジが、地域の UCU 支部と公平なシステムに同意する必要性を強調している。

 


大学組合(UCU): ‘Hands off’ online lecture recordings, UCU tells universities and colleges


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