2021年8月6日、リサーチ・イングランド(RE)は、研究成果公開プラットフォームである Octopus を学術コミュニケーションにとって新たな世界的な
サービスとするために65万ポンドを配分すると発表した。
当該資金は、研究文化を良い方向へ前向きに破壊する可能性がある革新的な世界的サービスの開発を支援するために提供される。
Amanda Solloway 科学大臣は、Octopus Publishing Community Interest Company(CIC)は、英国の高等教育機関にデジタルサービスを提供
する非営利団体である Jisc と共同で、RE の新たな需要度が高い資金から3年間にわたって65万ポンドを受け取ると発表した。
当該資金は、科学コミュニティのための新たなプラットフォームの開発を支援する。当該プラットフォームは、Octopusと呼ばれ、「成果等が発生
するたびに」、記録し評価するための新たな「研究活動における第一次的な記録」を行う場を提供する。
要素によるフィルタリング
Alexandra Freeman 博士によって開発された Octopus は、伝統的な学術論文とは異なり、科学研究の出版物を8つの要素に分類する。
8つの要素は以下の通りである。
- 課題
- 仮説または論理的根拠
- 方法または手順
- データまたは成果
- 分析
- 解釈
- 実社会への応用
- ピア・レビュー
これらの要素は Octopus で共同研究の紐付けがなされ関連付けられる。これらの出版物のより小さいユニットは、より迅速なシェアを促進し、
ピア・レビューを含む研究プロセスのすべてのステージの個々の取組に信用を与える。
当該プラットフォームは、
- 研究者が無料で自身の成果を公表できる。
- 誰でも無料で見ることができる。
- 至る所に開示性及び透明性の原理を組み込んでいる。
その目的は、科学的プロセスのすべての側面におけるベストプラクティスを評価するために研究活動におけるインセンティブ構造をリセットする
ことである。
出版物の状況を変える
RE の研究部長である Steven Hill 氏は、「Octopus を支援する当該資金は、オープン・リサーチへのREの強いコミットメント及び政府の戦略
と合致している。当該サービスが前向きに出版物の状況を破壊し、コミュニティによって所有される、研究コミュニティのためのツールを提供
する可能性がある。」と述べた。
テクノロジーの活用
Jisc のオープン・リサーチ部長の Liz Bal 氏は、「Octopus のビジョンは、研究活動を改善するためにテクノロジーを活用するという Jisc
全体のミッションと強く合致している。設計からオープンである Octopusは、研究コミュニケーション及び研究文化を変革する可能性を持つ、
全く新しい公開モデルを示す。我々の目標は、当該プラットフォームが世界的な研究コミュニティのニーズによって推進され、内在する技術や
プロセスをオープンにし、健全かつ拡張可能なものにすることである。」と述べた。
迅速かつ容易なシェア
Alexandra Freeman 博士は、「Octopus への私の希望は、科学研究へのアクセスの障壁を打ち破り、ヒエラルキーやそれらに起因する文化の問題
を取り除く手助けするとともに、コラボレーション、積極的な批評及び迅速な成果のシェアに関する新たな文化を促進することである。コロナ禍
は、科学コミュニティが共通の目標に向かって一緒に取り組むときに、迅速かつオープンな研究成果の公表がいかに重要かだけでなく、何が達成
されるかを示した。COVID-19 の研究を例外にすべきではない。すべての研究がこの程度の透明性があり、すべての人に対して自由に利用できる
ものにすべきである。」と述べた。
設計において重点を置いているのは、著者が自身の成果をシェアすること及び他者の関連する成果を探すことの両面において、スピードを速くし、
かつ使い勝手を良くすることである。
RE の資金は、試行的な Octopus のツールをプロトタイプから世界中で利用できるアクティブなサービスに移行するために必要な技術開発を支援する。
当該資金は以下についても支援する。
- マーケティング及びアウトリーチ
- 評価及びユーザー調査のプログラム
- 長期的な Octopus の持続可能なモデルの開発のための取組
リサーチ・イングランド(RE): Funding agreed for a platform that will change research culture
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