2021年6月25日、学生局(OfS)は、新たな分析によると、コロナ禍と他の様々な問題の影響が続いているにもかかわらず、大学や他の高等教育
プロバイダーの財政は概ね良好な状態に保たれていると発表した。
イングランドの高等教育機関の財政的持続可能性をとりまとめた報告書「Financial sustainability of higher education providers in England」に
よると、大学及び他の高等教育プロバイダーからの予測データを分析した結果、当該セクターの財政的パフォーマンスは2020/21年度に減少し、
その後2021/22年度以降から緩やかに回復すると予測している。
中長期的には、国内外の学生数の好調な増加により支えられた継続的な収入の伸びが予測されている。しかしながら、当該報告書は、COVID-19
の新たな変異株、コロナ禍後の経済の回復及び年金制度の財政的持続可能性を確保する必要性など、様々な要因が機関に継続的な財政的課題を
もたらすことを指摘している。
主な分析結果は以下のとおりである。
- セクター全体の収入は2018/19年度の346億6,600万ポンドから2023/24年度には407億3,000万ポンドに増加すると予測されている。
- コロナ禍により、授業料と研究資金の収入増は、ケータリングや会議などによる収入減によって大部分は相殺されている。
これらの収入源はコロナ禍の制限が緩和されるにつれて増加することが予測されている。 - 高等教育プロバイダーは、2020/21年度から2024/25年度の間に学生の総数が12.3%大幅に増加すると予測している。英国内の学生は12.3%、EU圏外からの留学生は29.5%増加すると予測されている。EU圏内からの留学生は同じ期間で34.8%減少すると予測されている。
- 大学及び他の高等教育プロバイダーは、コロナ禍の財政的リスクに対応して効率性と見いだすとともに資金支出を減らすことができる。
大学は政府からの様々な支援にアクセスすることができる。一部の大学は、キャッシュフローを支えるため条件付きの取り決めとして、
当座借越もしくは一定の借入可能期間と借入可能金額を設定する融資形態である「revolving credit facilities」のような短期間の融資に
ついて銀行と合意している。これらの多くの融資は引き出されないままになっているが、もし将来必要とされた場合の有事支援として
実施されている。 - 当該分析によると、授業料であろうと政府からの資金であろうと、教育資金全体の状況に重要な変化はないと想定している。
学生局(OfS): New OfS analysis finds university finances in good order
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