【ニュース・イギリス】科学超大国としての英国の地位を強固にするため、インフラのアップグレードに5,000万ポンド

 

2021年6月21日、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は、将来の機会を捉え、かつ将来の課題に対応するための英国の能力を強化する研究・イノベーションインフラのアップグレードに5,000万ポンドの資金を配分すると発表した。

 
科学超大国としての英国の地位を強固にするという政府の目標を促進させるため、英国の研究・イノベーションインフラは5,000万ポンドのアップ
グレード資金を受け取ることになる。

 
支援を受けるプロジェクトには、世界最大かつ最も精度が高い電波望遠鏡ネットワークの強化、炭素補足技術、最先端の 空中大気測定ラボ及び1,700万ポンドのデジタル研究に関するインフラ投資が含まれる。

 
12以上のプロジェクトを支援する当該資金は、首相により新たに設置される国家科学技術会議及び科学技術戦略局の発表に続くものである。両者は
大きな社会的課題に取り組み、英国中のレベルを上げ、世界中の繁栄を促進するためのツールとしての科学技術の利用による戦略的方向性を提供する。

 
気候変動や抗菌薬耐性のような課題に取り組むことは、資金が配分されるプロジェクトにもたらされる最優先課題である。しかし、当該資金は同様
に将来起こりうる課題及び機会に対処するためにも設計されている。

 
今、インフラを整備することにより、英国は長期的な研究能力を強化するだけでなく、社会が直面している課題への革新的なアプローチの開発
において世界を先導することになる。

 
当該投資は、助成金により支援され、英国の研究・イノベーション能力を増強するための UK リサーチ・イノベーション(UKRI)インフラスト
ラクチャー・ロードマップ・プログラム
によって配分される最初の資金となる。

 
本日発表される投資のうち最も多く増加したものの一つは、今会計年度に発表された5,000万ポンドのうち1,475万ポンドを受け取ることになる
既存の1平方キロメートル電波干渉計プロジェクト「Square Kilometre Array Observatory(SKAO)」である。SKAO は、南アフリカ及び
オーストラリアに望遠鏡を設置し、マンチェスターに本部を置く。完成すれば、地球上で世界最大かつ最も精度が高い電波望遠鏡ネットワークとなる。

 
SKAO の望遠鏡は、並ぶものがない感度かつ前例のないスケールで、天体の広大な範囲を画像化することができる。画像解像度はハッブル宇宙
望遠鏡を超え、英国の世界トップレベルの地位を維持する手助けをするとともに、科学的発見において英国を先導することになる。

 
当該資金はまた、今予算年度において UK リサーチ・イノベーション(UKRI)の 空中大気測定ラボ に550万ポンド配分され、世界トップレベル
の研究能力の強化及び当該能力が大気研究の最先端であることを維持できるようにする。

 
世界クラスの当該航空機は英国で唯一のものであり、世界中どこでも配備でき、気候モデリングや天気予報を可能とする計り知れないほど貴重な
データを提供する。当該アップグレードにより、新たな大気汚染やエアロゾル装置が提供され、社会や経済に影響を与える可能性がある大気環境
インシデントに対応するための継続的な能力が確保されるとともに、大気及び人間の健康の両方に対する汚染の影響が評価される。

 
上記以外に、全国的な デジタル研究インフラ、産業規模で炭素回収と貯留のリスクを軽減する CO2 貯留テストベッドの開発、全国的な洪水及び
干ばつレジリエンスインフラ など広範囲の革新的な取組をカバーするプロジェクトに配分される。

 
政府は、2027年までに英国経済全体の研究開発費をGDP比2.4%にするために英国を軌道に乗せ、科学超大国としての英国の地位を強固にする
ことを公約している。


ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS): £50 million infrastructure upgrade to cement UK’s status as science superpower


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