【ニュース・イギリス】高等教育統計局(HESA)の新たなデータによると大学の知的財産(IP)収入は5年間でほぼ倍増

 
2021年6月11日、University Business (University IP revenue nearly doubles in five years, new Hesa data shows) は、最新の高等教育統計局(HESA) のデータによると、外部パートナーからの大学全体の収入は、前年の50億6,000万ポンドから1億ポンド以上増え、およそ52億ポンドまでになったこと及び大学全体の知的財産(IP) 収入は、昨年過去最高となり、5年前に生み出された金額のほぼ2倍まで上昇したことについて報道した。

 
高等教育統計局(HESA)が6月10日に発表した大学の産学連携・社会活動等の年次データである「Higher Education Business and Community Interaction data」によると、知的財産(IP)収入は、2019/20年度に大学及び研究機関全体で、前年度の2億7,520万ポンドから増え、2億9,460万
ポンドとなった。2014/15年度の当該金額は昨年度の半分近くである1億5,570万ポンドであった。オックスフォード大学ユニバーシティ・
カレッジ・ロンドン
及び Institute of Cancer Research は、知的財産(IP)ポートフォリオから最も多くを生み出している機関のリストに最上位
に名を連ねている。

 
2019/20年度の知的財産(IP)収入が上位の20機関のうち14機関がラッセルグループ(※)を構成する大学であり、オックスフォード・ブルックス
大学
イースト・アングリア大学ポーツマス大学サリー大学及び オープン大学 がベストパフォーマーに選ばれた。イングランド南部に本拠地
がある大学が20大学中11大学、スコットランド(グラスゴー大学 、ウェールズ(カーディフ大学 )そして北アイルランド(クイーンズ大学ベルファスト )に本拠地がある大学がそれぞれ1大学ずつであった。

 
コロナ禍という深刻な問題にもかかわらず、外部パートナーからの大学全体の収入は、前年の50億6,000万ポンドから1億ポンド以上増え、およそ52億ポンドまでになった。

 
知的財産(IP)収入の増加を反映して、大学のスピンアウトへの投資は昨年35%増え、23億ポンドに達した。スピンアウトした企業の数は2018/19年度より4%増え、174社に達し、さらに大学には2,020件を超える新たな特許が許諾された。ケンブリッジ大学 及び オックスフォード大学 は、それぞれ267件、192件の新たな特許の出願を行った。

 
コロナ禍の影響があっても、上記のようにすべて順風満帆というわけにはいかなかった。他のソースからの収入は減少し、研究、コンサルタント業務
及び施設のリースなどの企業との知識交換 は9億5,500万ポンドから9億900万ポンドに減少した。

 
大学は、ビジネスのスピンアウト及び知的財産(IP)の商業目的での利用についての野心的な新たなターゲットを定めている。マンチェスター大学シェフィールド大学及び リーズ大学 によって設立された新たな大学の投資による企業は、アカデミックのスピンアウト発のイングランド北部の強力な
企業になることを目指している。

 
※ラッセルグループ:英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。


高等教育統計局(HESA): Higher Education Provider Data: Business and Community Interaction


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
行政機関、組織の運営 予算・財政
その他 その他
社会との交流、産学官連携 産学官連携
統計、データ 統計・データ