【ニュース・イギリス】英国に拠点を置く研究者、Horizon 2020の最後の公募で多くの資金を獲得

 
2021年4月22日、Science Business は、ヨーロッパ研究評議会(ERC)が、Horizon 2020 の最後の公募の結果、209人の優れた研究者に5億700万ユーロを授与すると報道した。

 
英国の EU 離脱にもかかわらず、2014~2020年の当該プログラムの最後の公募において、先端的な資金を獲得した209人の研究者のうち、およそ
4分の1の51人が英国で研究を実施する。

 
当該資金は、ホストとなる研究者209人のうち130人がわずか4カ国で占められており、ヨーロッパの科学基盤において大きな地理的格差があること
を再度強調している。

 
ERC の Jean-Pierre Bourguignon 会長が認めたように、今回の公募は、一流の資金における熾烈な競争が、応募者のわずか8%にしか資金が配分
されない、低い採択率であることを意味するものであった。彼は「革新的なアイデアを持つたくさんの極めて優れた研究者が卓越した基準を通過
したが、予算の制約のため資金が配分されないままになった。」と述べた。

 
新たな研究プロジェクトは、1,900件のポストドクトラルフェロー、博士課程学生そして他の研究スタッフの新たな雇用の創出にもつながる。資金
取得者は、14の EU 加盟国及び準加盟国の大学及び研究機関においてプロジェクトを実施する。

 
英国の後に続き、ドイツが40人の先端的な資金取得者をホストし、フランスが22人、オランダが17人となっている。これは、英国がEU 加盟国と同じ
条件で参加する最後の ERC の公募であった。EUを離脱した後、英国は、新たな7年間の EU の研究プログラム Horizon Europe に、準加盟国として
費用を支払い、参加することが予期されている。

 
英国の参加の詳細がまだはっきりと決まっていないが、EU との合意の結果が出るまでの間、英国に拠点を置く研究者は、今年の ERC からの資金に
申請することができる。

 
しかし、1月1日の英国の EU からの離脱は、優秀な研究者を引き付けるその能力を脅かす可能性があり、英国が海外からの研究者へより開かれにくく
なるのではないかという不安を広げる結果になっている。本日授与された先端的な資金は、少なくとも10年にわたる研究実績を持つ研究者により
14カ国で実施される基礎研究プロジェクトを支援する。

 
英国では、ケント大学の社会心理学の Karen Douglas 教授が、「陰謀説の結果」について分析し、ケンブリッジ大学の Richard Friend 教授は、
ラジカル半導体のスピン制御」を研究する。さらに、同大学の Marta Mirazon Lahr 教授は、「アフリカにおける現代人の起源の進化状況」について深く掘り下げて調べる。

 
「我々は、この投資から、どのような重要な洞察やブレークスルーが生まれるのか楽しみにしている。」と Bourguignon 会長は述べた。次の7年間の
ERC の予算は160億ユーロ以上になる。しかし当該資金は、4月26日に予定されている全員出席の投票で欧州議会が決議するまで配分されない。

 


Science Business : UK-based scientists rack up prizes in last Horizon 2020 call


地域 西欧、EU
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