【ニュース・イギリス】英国政府は研究予算削減について至急再考を

 
2021年3月16日、英国大学協会(UUK)は、英国政府に、英国の科学と研究への資金提供の将来について至急明確にするよう求める内容をしたためた
書簡を送ったと発表した。

 
本日発表された政府の総合的レビューは、英国の世界的な科学超大国としての英国の地位を確実するという狙いを再確認しているが、当該発表は政府
が研究予算を著しく削減する準備をしているという内容の報告と時期が重なっている。これは、英国中の大学に国際パートナーとの現行の研究プロ
ジェクトを中止させることとなる、確定された政府開発援助(ODA)資金による1億2,000万ポンドの研究費の不足のすぐ後に続く困難となる。

 
首相への書簡において、UUK 会長の Julia Buckingham 教授は、「大学は、財政当局が Horizon Europe への英国の参加を支援するための資金
を用意していないという報告によってますます心配させられている。

 
もしこの見解がそのまま維持されれば、それは18,000人以上のフルタイムの学術研究ポストの削減に相当し、才能ある研究者や民間及び海外から
の投資の目的地としての英国の魅力を弱め、事実上10億ポンドを上回る削減を意味することになる。

 
さらにそれは、本日の Integrated Review で示された世界的な科学面におけるリーダーシップを提供するという明確に表された政府の大志に対する
信頼性を損なわせることになる。」と述べた。

 
その書簡は、このような結末を避けるために、首相にビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)財務省との間の議論に介入するよう訴え、話を
締めくくっている。

 
書簡に記載された他のポイントは以下のとおり。

  • 国内の研究資金の10億ポンドの減額は、おおよそ医学リサーチカウンシル(MRC)科学・施設技術会議(STFC)を合わせた研究及び
    イノベーションの総予算に相当する。
  •  

  • それはまた、公的な投資を通じて刺激されるはずであった民間研究開発投資においても最大16億ポンドのさらなる削減につながることになる。
  •  

  • 当該削減は、米国と中国を含む英国最大の国際的な競争相手が科学への投資を目下増加させているときに行われる。

 
英国大学協会(UUK)Universities UK

 
また、ラッセルグループ ※も同様に、2021年3月17日に英国の科学と研究への資金提供の将来について至急明確にするよう求める内容をしたためた
書簡を首相に送ったと発表した。

 
当該書簡では、ラッセルグループは、これまでの英国政府の科学に対するコミットメントを歓迎しているが、現在もこの大志が変わらないこと、Horizon Europe への追加の投資が優先されること、そして英国の研究とイノベーションの中核となる資金が支援され、かつ確実であることを再保証
するよう求めている。

 
※ラッセルグループは、英国国内で最高水準の研究レベルを持つ24大学で構成される団体。

 
ラッセルグループ:  Russell Group calls for clarity on funding for UK science and research
 


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