【ニュース・イギリス】最新の学生局の提案は人文学・社会科学の課程を脅威にさらす

 
2021年1月25日、英国学士院は、学生局(OfS)が行った高等教育の質を規制するという提案は、極めて重要な人文学・社会科学の課程を不用意に
閉鎖に導き、さらには恵まれない環境出身の学生の機会を制限する可能性があると発表した。

 
イングランドの高等教育の規制当局であるOfSは、高等教育プロバイダーの質と基準を規制するという手法ついて協議を行っている。これには、
学習の継続、修了そして就職といったメトリクスに基づく学生の成果について、各々の学習レベルにおいてセクター全体にわたるベンチマークを
設定し、科目レベルで機関を評価するという提案が含まれている。

 
しかしながら、英国学士院は、その協議に対する回答文書において、もし導入されれば、SHAPE分野(the Social Sciences, Humanities and the
Arts for People and the Economy)の健全性と活力に予期せぬ悪影響をもたらす可能性があると主張している。

 
ベンチマークを満たすことができないという結果を避けるため、英国学士院は、機関が、課程の閉鎖を決め、教育の提供においてコールドスポット
を作り出し、地元でこれらの科目を学習するため転居する可能性が低い恵まれない環境出身の学生の機会を制限するかもしれないと懸念している。

 
提案されている手法は、一部分においては、専門職か経営の仕事に就く学生の数により課程の質を評価する。多くのSHAPE分野の卒業生は、低い
賃金にも関わらず、このメトリクスによってとらえきれないかもしれないような、例えば慈善事業やクリエイティブな産業等の社会的価値があり
充実した役割の仕事に就いている。

 
英国学士院は、さらに以下の点についても述べている。

     

  • 新たな手法は、学生が到達できるかもしれない成果に影響を与える要因を反映し、学生の就職市場において地域性や分野の違いを考慮
    することが必要である。
  •  

  • すべての卒業生が、卒業後15か月、学位を持っている人のための仕事に就いているというわけではないが、Graduate Outcome 調査
    のデータが集められた時点で、それでもなお、成功したキャリアパスをたどり続けている。
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  • 学位を持っている人のための仕事」の概念は、依然として争われており、卒業生がそのような役割にいるかどうかをとらえ、測定する
    メトリクスを基とした手法を使うことを困難にしている。

 


英国学士院: Latest Office for Students’ proposals threaten humanities and social sciences courses


地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
行政機関、組織の運営 政策・経営・行動計画・評価
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