2022年6月1日、Research Professional News は、ラッセル・グループが大学院生にとって職員になることには「利益にならない」と述べたことを伝えた。
英国のトップクラスの大学で構成されているラッセル・グループは、大学院の研究生を職員とする提案に対して、その協会が「現状を把握していない」と烙印を押した。
ラッセル・グループは、国の資金提供機関である UK リサーチ・イノベーション(UKRI)が研究生の法的立場を職員に変更する動きは、それらの研究生にとって「利益にならない」と述べた。
5月30日、大学院生の研究改革に関する全国協議での提出文書であるこの声明により、英国の研究集約型の24大学を代表するグループであるラッセル・グループと、大学院生が職員になることを要求している大学組合(UCU)とが衝突することとなった。
University of Sheffield の大学院研究生で、UCU の職員地位向上キャンペーンの共同リーダーである Alex Kirby Reynolds 氏は、ラッセル・グループの主張は「見え透いた説明責任・大学のコスト増の回避のための行動だ。」と述べた。
賃金を求める
研究と教育の負担がある大学院生の搾取に対する長年にわたる懸念を背景に、UCU は、2021年7月、大学で雇用される職員と同様の雇用条件を与えるようにキャンペーンを開始した。
この問題は、UKRI が英国の若手研究者の経験を向上させるための「ニューディ―ル」計画の一部として、大学院研究教育の将来に関する協議の中で表面化した。UKRI は、大学院研究生に関する雇用形態の変更を検討すると述べた。
しかし、ラッセル・グループは、この動きは教育から焦点を逸らし、大学や資金提供者にとって費用が掛かることになる。また、大学院研究生を支援する奨学金が所得税や国民保健料の負担となるため、それを補填する大きな追加資金がなければ、大学院研究生は「財政的により困窮する」可能性があると主張した。
同グループは、労働条件の改善に関して「もっとできることがある」と述べ、病気、育児、介護などの休暇について、できる限り職員の権利と同等になるようにすることが可能であると述べている。
Kirby Reynolds 氏は、「もしラッセル・グループが大学院研究生との真剣に話す努力をしていれば、自身の主張がいかに現状を把握していないか気づいたかもしれない。」とし、「大学は「基本的な条件を提供する」ことをもを遠ざけようとしている。」と述べている。
ラッセル・グループは、UKRI への提出書類の内容を述べることを避けたが、大学院研究生のさらなる支援や、現在23歳以上の最低賃金に相当する奨学金を改善するために投資が必要であると述べた。
UKRI は提出書類のフィードバックの要点とその対策を今年末までに発表する予定である。
Research Professional News: Row over staff status for research students
地域 | 西欧 |
国 | イギリス |
取組レベル | 大学等研究機関レベルでの取組 |
人材育成 | 学生の就職、研究者の雇用、教員の養成・確保 |