2022年5月26日、高等教育政策研究所(HEPI)は管理職専門人材あっせん会社である GatenbySanderson の協力で、過去半世紀における英国大学学長の任期期間の変化に関する新しい報告書を発表した。
報告書「Digging in? The change tenure of UK vice-chancellors」によると、1970年代後半から2011年まで学長の平均任期期間は6.4年から4.1年と36%も減少したことを示している。
しかし、連合政権時に「市場化」が急速に進行し、例えば学費の大幅な値上がり、イングランドでの学生募集の自由化が実施されて以来、学長の平均任期期間は伸びている。現在の学長の任期期間は5年に近づいている。(10年前ほどの最低ポイントから15%の上昇となる)2000年以来最も長い任期期間となる。2010年では10年以上の任期期間であった学長はたったの一人(サンプルでは2%)だったのが、2021年には8人となった。(16%)
大学学長の退任までの平均任期期間は8年で、比較される他の職業と比べて大きく上回っている。例えばサッカープレミア・リーグの監督の平均任期期間は2年1か月、NHS の上級役員の場合はおよそ3年である。
大学学長の任期期間は、政府の大臣職の2年程の任期と比べてもかなり長い。平均8年で退任する学長と同じぐらい教育に関する政府関係者はいないが、1895年から1902年まで務めた教育審議会委員の副会長であった Sir John Eldon Gorst 卿の約7年が一番近い。
- イングランドでは、1997年に新労働党が政権について以来12人の教育大臣が就任している。(その肩書の名前は時々異なっていた)
- スコットランドでは、1999年の大幅な権限移譲以降は10人、ウエールズでは8人、北アイルランドでは5人(この期間はロンドンからの直接統治があり5人の大臣が就任した。)の現職大臣がいた。
報告書では短期間の間にこれだけ多くのトップ交代が頻繁に行われた大学はないであろう、と主張している。確かにこれだけ大学のトップの交代が行われたところは失敗していると広く見なされるであろう。
高等教育政策研究所(HEPI):
Vice-chancellors are sticking around for longer – and, on average, they stay put for more years than any Secretary of State for Education ever
地域 | 西欧 |
国 | イギリス |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
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