【ニュース・イギリス】REF2021: 英国の大学研究の質が世界のトップであることを示す新たな証拠(1)

 
2022年5月12日、英国の大学研究の国全体の評価の結果である研究評価制度(REF)最新版が発表された。REF2021 の評価は英国全土及びイングランドの地域、全ての分野を通じて世界でもトップレベルの研究が多くあることを明らかにした。今回の評価で初めて研究に大きな責任を持つ全ての職員が提出した評価も含まれており、これは、大学の幅広い活動で実施された研究の質に関する独特な洞察を意味する。

 
REF はあらゆる分野における大学の研究の質を遠慮なく徹底的に評価し、研究に対する公共投資の説明責任を果たすこととその投資の利点を実証するものである。

 
全体で157の大学が参加し、76,000人以上の研究者からの書類提出があった。提出資料は、研究成果、研究による幅広い恩恵の実例、研究環境などの証拠が含まれている。資料は英国内外の研究者、外部の研究利用者、学際的研究の専門家によって構成される専門家委員会によって評価された。全体として、審査委員の評価では41%が「世界レベル」(4*)さらに43%は「国際的に優秀」(3*)としている。
この評価は、英国の研究の強化に関する豊富な情報を提供し、ビジネスやその他の研究利用者に潜在的なパートナーを特定することに役立つ。

 
主な結果:

  • 全体的な質として提出された研究活動の41%は世界レベル(4*)で43%は国際的に優秀(3*)との結果となった。
  • 英国全ての国及びイングランドの地域では80%以上の研究は世界レベル(4*)もしくは国際的に優秀(3*)との結果となった。
  • 英国の4分の3の大学で行われた、少なくとも15%の研究は世界レベル(4*)と評価された。

 
研究の優秀さの認識

 
REF は優れた研究が幅広く分布していることを確認した。これは英国全体で80%以上の研究が世界レベル(4*)および国際的に優秀(3*)とされ、またそれぞれの英国の国やイングランドの地域、全ての規模やタイプなどの幅広いグループにおいて、REF に参加した99%の大学において世界レベルの質の研究が行われているという結果となった。

 
REF2021 は研究における多様性が認識され、称賛されることを可能にした。評価によって若手研究者、家族の事情で休暇を取った職員、平等格差関連の環境にある職員からも平等に高質の研究が行われていることが分かった。また学際的な研究の優れた例を含めた全ての研究形態で卓越性があることも分かった。

 
広く深く

 
REF2021は、それぞれ参加した大学によって行われた様々な研究活動の範囲にかかる研究の質について、これまでよりも幅広い見解を提供している。これは研究の重要な責任を持つ全ての研究者を含むという前回からの要件の変更によるもので、前回の REF2014 の評価より大幅に対象人数が増加し、52,000人の46%増となった。

 
REF2021 は現在の評価対象期間(2014年から2021年)で英国で出された高質の研究の件数が引き続き増加していることを示している。2014年の提出規定変更により、最高品質の実例をより多く取り上げることを可能とした。その増加は REF の評価過程を超えた幅広い証拠によって確認されている。

 
多様な利点

 
REF2021 は、研究が多様にまた豊かな方法で社会に貢献していることも焦点を当てている。このような影響を調査することになって2回目の評価となるが、提出された多くの実例に織り込まれているパートナーシップの豊かさと幅広さと、影響があったといわれる証拠の詳細やその堅実さの増加において、専門委員会は研究の影響を自覚し投資している大学から大幅な利益があったとみている。


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
研究支援 研究助成・ファンディング、研究評価