【ニュース・イギリス】英国大学協会:EUのプロジェクトに英国の橋渡し資金が緊急に必要と指摘

 
2022年4月5日、University Business は英国大学協会(UUK) がイングランド及びウェールズの164の大学主導のプログラムは、今後12か月以内に欧州構造基金が枯渇し、危険に晒されていることを伝えた。

 
UUK は、政府が英国共有繁栄基金(UKSPF)が立ち上がるまで、100以上の EU の支援プロジェクトを補うための橋渡し基金が必要であることを警告している。

 
欧州構造投資基金(ESIF)は、イングランドの192の大学主導のプロジェクトに4億1,200万ポンド支援している。また、ウェールズでも 53 のプロジェクトにESIFから3億ポンドの支援が出ている。

 
現在、UUK は政府に対し、164 もの地域のトレーニング、スキル、ビジネスプロジェクトを脅かす資金不足を埋めるように橋渡し基金を要請している。これは英国政府が2024/2025学事年度に英国の代替基金を提供するまでに「失速または停止」する危険がある。

 
UUK は、UKSPF の分配が不透明なため、重要なコミュニティプロジェクトや経験のある職員の雇用に危険があると述べている。

 
Cardiff University のチームが主導する FLEXIS APP は絶滅の危機にあるプロジェクトの一つである。2022年11月にはEU資金からの300万ポンドの資金がなくなり、将来のエネルギーの脱炭素化の研究を商業化するために協力しているパートナーも危険に晒していることになる。University of Gloucestershire 、GFirst Local Enterprise Partnership、その他のパートナーが主導するビジネス支援サービスの Gloucestershire Growth Hub は2023年3月に EU 資金が尽きて、大学の投資も危機に陥る。Gloucestershire Growth Hub は2014年以降1,200人の雇用を創出し、1億5,500万ポンドの総付加価値を生み出し、4億ポンドの売上高を挙げたと推定されている。

 
University of Manchester の Bridging The Gap のプログラムは Graphene Engineering Innovation Centre (GEIC) によって行われており、グラフェンと 2D 材料への移行と商業化を加速させる。

 
200 のプロジェクトの中小企業パートナーの一つであり、Nationwide Engineering 社という中堅企業の社長である Alex McDermott 氏は 「我々は University of Manchester の共同研究開発プログラムに参加し、全体的なCO2 の排出量の削減をしながら強度を大幅に向上したグラフィン強化コンクリートを開発した。この共同研究は成功し、知的財産として申告し、新しい子会社を設立し、Greater Manchester の中で新しい雇用をいくつか創出した。」と述べた。

 
UUK の会長である Alistair Jarvis 氏のコメント:
 
「政府によって示されたレベリング・アップの意図とその意欲を全面的に支援する。大学におけるレベリング・アップの重要性を考慮すると、UKSPF の実施に関して特にその時期が不透明で、英国の4つの国における地域の雇用者、職、コミュニティを直接支援する多くのプロジェクトに深刻な脅威をもたらす。コミュニティグループや企業は重要なトレーニングおよびスキルアップの機会を逃してしまうため、財政の穴埋めをするという明確さと継続的な資金提供が必要である。大学は、それらのプロジェクトに提供する資金はない。」

 


University Business: EU projects urgently need UK bridging funds, says Universities UK


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