【ニュース・イギリス】英国の大学がElsevierとの「世界最大」オープンアクセス契約を締結

 
2022年3月23日 Research Professional News は 英国大学が Elsevier とのオープンアクセス契約をすることで現在の機関の支出の大幅な削減が可能となり、英国の研究の80%が公開されることになることを伝えた。

 
英国の大学は英国の最大の購読契約の代替として長期に渡る交渉を経て Elsevier と3年間のオープンの契約を行った。

 
学術出版社と高等教育の IT 関連の Jisc との契約により英国の大学は Elsevier の学術雑誌においてオープンアクセスの出版が可能となる。また英国の研究者も有料の学術誌の記事にもアクセスが可能となる。

 
今回の発表は、2017年に開始され、2021年12月31日に終了予定であった Jisc Collections Elsevier の契約を置き換えるための長期にわたる交渉に続くものである。

 
Elsevier は、「世界でもっとも急成長しているオープンアクセス出版社の一つ」であり、600の学術誌と完全にアクセスが可能、また2,700誌の「ほぼ全て」にアクセスが可能であると述べている。

 
Elsevier のグローバル学術・政府販売担当者である Gemma Hersh 氏は、同出版社は「英国の世界クラスの研究コミュニティを引き続きサポートできることを大変誇りに思う。」と語っている。

 
また、「この合意は、著者の研究成果を共有することをサポートし、Elsevier 社に記載された質の高く信頼のできる論文の閲覧が可能となり、英国の研究を即時にオープンアクセスし、持続可能な移行とすることに向けた重要な一歩となる。」

 
「我々は特にパンデミックのために英国の研究機関が直面する課題を評価し、Jiscと協力し、機関に代わってすべての要件を満たす独自の協定を作った。」と語った。

 
Jisc の高等教育・研究担当者である Liam Earney 氏は「この合意はこの分野の主要な要件を全て満たしており、契約が行われた。これは Elsevier 社と世界最大のオープンアクセスの契約で、節約とアクセスの両面において独特で、完全・公平で、安価な移行に向けた第一歩である。この合意によって研究機関の総費用は大幅に節約され、その他のオープンアクセス合意と合わせると、英国研究の80%を著者が費用の負担なくアクセスすることができる。」と言うことを付け加えた。

 
しかし、「まだまだやるべきことはある。Jisc は英国の資金提供の方針に従って、英国の研究成果をオープンアクセスで公開することを可能にする移行やオープンアクセス協定の交渉を通じて、引き続き協力していく。 」と述べた。

 


Research Professional News: UK universities sign ‘world’s largest’ OA deal with Elsevier


地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 研究