【ニュース・イギリス】 東アジア全域からの英国への留学需要の減少

 

 
2022年3月7日、Pie news は、British Council の報告書によると東アジアからの英国留学のためのビザの需要が依然として落ち込んでいることを警告していると伝えた。

 
英国の文化関係や教育機関関係の活動をしている British Council は、2021年に英国が東アジアの国々の学生に対して発行した就学ビザが2019年より減少したことを発表した。

 
これは、COVID-19 のピーク時に教育機関が打撃を被った後、2021年に入学する留学生の数が全体的に回復傾向にあるにも関わらずこのような状況となった。2021年、英国は全世界で就学ビザを2019年よりも4万件多く発行している。

 
報告書「 5 trends to watch in 2022 East Asia edition」では、東アジアで減少傾向にある原因として「渡航制限強化」と「COVID-19の収束まで海外留学の計画を遅らせるという意志の高まり」の両方に起因する可能性がある
ことを認めている。

 
中国の留学サービス協会 BOSSA の広報担当の Jon Santangelo 氏は、「数百万人の消費者と我々の代理店のメンバーが、日本、シンガポールに興味が移り、今後長期的にアジア近隣諸国への移行が予想される。しかし、我々のデータによると、英国はここ数年常に米国を始めとする他のすべての国より上回っていることも証明されている。」と述べた。

 
British Council のマレーシア/東アジア担当の Jazreel Goh 氏も楽観的で「東アジアの主要な市場では英国への留学生の絶対数では依然とトップにあり、特に中国は、国際教育産業の重要な柱の1つであり続けることであろう。」と述べている。

 
東アジア全体で発行されている就学ビザの約75%は中国が占めているが、2021年における英国も含む中国からの受け入れ先国は COVID-19 以前の水準を大きく下回っている。

 
Goh 氏は「回復に時間がかかるであろうが、財政的影響の長期化、地理的緊張危機、航空産業の再編に伴い旅行が以前より複雑で高価なものになることなど様々課題が挙げられる」と述べている。

 
報告書に盛り込まれた東アジア16カ国の中で、約14カ国が今後5年間で過去5年間よりも経済生長率が上回ることが予想されている。

 
British Council は「所得水準が上がるにつれて、東アジアは、2022年以降、英国の教育に対する需要が回復する可能性がある。」と予想している。

 
Goh 氏は、英国の教育機関は「東アジアの学生で英国大学への進学希望者は留学に関して様々な障害や不安に直面し、キャンパスの安全性や渡航、ビザの手配まであらゆることに問い合わせが殺到していることを理解してほしい。」と述べた。

 
また、留学生の競争が激化している状況で Goh 氏は「対応時間は何時間、何日という単位ではなく分単位で測るように」とアドバイスしている。

 


Pie news: British Council 5 trends to watch in 2022


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
国際交流 学生交流