【ニュース・イギリス】高等教育統計局発表の2020/2021学事年度版学生統計

 
2022年1月25日、高等教育統計局 (HESA) は2020/2021学事年度版学生統計を発表した。これによると全体の学生数が9%増加しており、そのうちパートタイム学生は11%増加していた。
 
このデータは2020年8月1日から2021年7月31日の間に大学に入学した学生に関するもので、COVID-19 による影響を受けた最初の学事年度である。

 
主な統計は:

  • 2020/2021学事年度の高等教育の学生総数は2,751,865人で、2019/2020学事年度より9%の増加。
  • 大学院1年生の人数は16%増加し、大学学部コースの入学者は9%増加した。
  • 医療関連のコース(看護とその関連科目も含む)の学部コースでは20%増加した。
  • その他の学科コースの(高等教育資格及びデプロマ相当)と成人(21歳以上)の1年生は以前減少傾向であったが、今回は増加した。
  • 英国出身の1年生の学生数は13%増加し、英国以外からの1年生の学生数は4%増加した。
  • インドからの1年生は27%増加したが、中国からの学生は今回5%初めて減少した。
  • 2020/2021学事年度では、872,765件の高等教育学位資格の授与があった。そのうち半数以上が優秀学位であった。これは COVID-19 により2019/2020学事年度において延期され授与数も含まれている。
  • First として分類される学位を授与された割合は36%で、2019/2020学事年度では35%であった。2:1の学位は47%から46%に減少した。

 
HESA は国家統計と同時に2020/2021学事年度の学生統計に COVID-19 の影響に関する研究も発表した。この研究では教師の評価による評価方法であるセンター評価成績、遠隔学習、および入学率、進級、移動、資格に対する不確実性の影響を挙げている。

 
2022年2月にさらに高等教育学生データの公開データが発表される予定である。これには2020/2021学事年度 HESA Student, Student Alternative Aggregate Offshore record (英国外で英国大学の学位を目指している学生および集計期間に中退、休学したものも含む) の詳細も含まれる予定である。英国パフォーマンス指標は高等教育への参加拡大や中退に関する統計を数週間のうちに発表する予定である。

 
高等教育統計局 (HESA)

 1. Higher Education Student Statistics 2020/21 released

 2. Higher Education Student Statistics: UK, 2020/21

 3. The impact of the COVID-19 pandemic on 2020/21 Student data

 
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2020/2021学事年度における英国の高等校育機関は605,130人の留学生を受け入れ、60万人の目標を10年早く達成したことが HESA の発表内容から明らかになった。

 
2020/2021学事年度では英国の留学生のうち452,225人は非 EU 圏の学生として登録され、152,905人が EU 圏からの留学生であった。2020/2021学事年度の英国内の高等教育全体の学生数は25,718,562人で前年より9%上昇した。

 
留学生は48,505人(8.7%)増加し、英国以外からの学生はトータル556,625人であった。

 
2020/2021学事年度ではインドからの1年生が27%増加し、中国からの1年生は5%減少した。統計では英国出身の1年生は13%増加、英国以外の1年生は全体的に4%増加した。

 
2021年に、英国国際教育戦略において、2030年までに60万人の誘致を目標にするという新たな課題が発表された。

 
国内の1年生の増加とともに大学院の座学による学位取得コースも国内外ともに増加したとHESAは指摘している。

 
「COVID-19 による留学生数への影響が心配される中、2020/2021学事年度の学生データでは1年生の留学生数が全体的に増加している。」と HESA の政策、研究のトップのアナリストである Lucy Van Essen-Fishman 氏が語った。

 
「EU からの学士課程の1年生の数は8%増加しており、全体的な1年生の増加率よりわずかに下回っている。EU圏からの大学院進学の学生数も増加したが、その増加率はより小さい。」

 
Van Essen-Fishman 氏は、EU からの申請者は2020/2021学事年度が自国で学費が保証される最後の年であるため、進学を遅れさせないように言われたのかもしれない、と述べている。

 
非 EU 圏からの1年生の留学生は2019/2020学事年度の74,975人から2020/2021学事年度の73,455人とわずかに減少した。この減少は「非 EU 圏からの大学院研究学生の7%の増加と非EU圏からの大学院座学学生の8%の増加で相殺された。」と Van Essen-Fishman 氏は語った。

 
「2020/2021学事年度では非EU圏の大学院生の合計は212,515人で、その中で非 EU 圏からの大学院研究学生は34,015人であった。」

 
1年生で最も学生数が増加したのは英国出身者ではあるが、COVID-19 の環境にもかかわらず英国の高等教育は留学生にとっては魅力的な選択肢であったことは明らかである。」と Van Essen-Fishman 氏は述べた。

 

 
2020/2021学事年度では非 EU 圏からの学生の32%は中国からの留学生で、合計は143,820人であった。2020/2021学事年度までの過去5年間で中国からの学生数は48,255人増加しており、50%以上の増加となったと HESA は指摘している。

 
また「インドからの留学生数は中国ほど多くはないが、この5年間で67,660人とかなりの増加が見られる。」と語った。

 
英国大学協会国際部(UUKi) の政策、グローバルエンゲージメントの部長代行である Stephanie Harris 氏は英国の国際教育戦略で目標とした留学生数が予定より早く達成したことを指摘している。

 
「この増加は学生自身の努力はもとより、我々の大学、また広い機関全体の人々、政府が協力し、世界中からの留学生が英国で歓迎されることを示すなどの不屈の努力の証である。COVID-19 の規制がある中で学生誘致が困難であった年にその目標を達成したことは特に喜ばしい。今後大学で学ぶ学生のためにできる限り最高の環境と学生経験を作り出すために高等教育機関とその提携先とともに引き続き努力していく。」と語った。

 
2019/2020学事年度と2020/2021学事年度ともにインドからの学生は大きく増加しており、2020/2021学事年度では非 EU 圏全体の19%の64,555人であった。

 
3番目に多い非EU圏からの留学生の出身地はナイジェリアで、21,305人であり、米国の19,220人をわずかに上回った。香港は第5位、16,665人で、これは2016/2017学事年度の16,870人と近い数字である。

 
マレーシアからはこの5年間で30%減少し、ナイジェリアとパキスタンからの留学生数を下回っており、2020/2021学事年度では11,510人であった。

 
EU 圏内では2020/2021学事年度の全体ではイタリアからの学生がもっとも多く14,605人で、続いてフランス(14,090人)、ルーマニア(12,860人)であった。

 
イングランドの高等教育機関ではルーマニアがフランスに代わってEUの第2位の学生数となり、スコットランドの高等教育機関ではアイルランドの学生がEU 圏の国よりも多く入ったことを HESA は指摘している。

 
スコットランドの高等教育機関では2,375人がアイルランドからの学生で、2020/2021学事年度ではドイツの2,360人をわずかに上回った。
すべてのレベルにおいて最も多くの留学生を受け入れている高等教育機関は以下の通り:

  • University College London (23,360人)
  • The University of Manchester (17,625人)
  • The University of Edinburgh (15,590人)
  • King’s College London (15,550人)
  • Coventry University (13,760人)

 
また、488,095人は英国の高等教育機関で学んでいるが、その拠点は海外にあることも明らかになった。トランスナショナル教育の数値では、全体的に4,091,654人が非 EU 圏からの学生で、英国の高等教育機関に登録、または学位取得のため学んでいる。EU圏では78,930人だった。

 
英国の学生の留学や就業体験の多くは遠隔で行われているが、海外での遠隔学習や就業体験は、対面で行われたと同じように、海外又は就業体験として HESA のデータに表示されている。

 
「留学や海外での就業経験に参加する学生は、現地で行われないことがわかっていて選択する学生は少ないと思われるが、海外での就業経験に関しては前年と比べてあまり変化がなかった。」と Van Essen-Fishman 氏は語った。

 


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