【ニュース・イギリス】英国政府は政府開発援助の主な資金提供をする研究開発を廃止

 
2022年2月21日、Research Professional News は、英国政府は政府開発援助(ODA)が提供する主要な基金の廃止を伝えた。2021年までで20億ポンド以上を支出している3つの英国の研究基金である、地球規模課題研究基金(GCRF)Newton 基金および国際的協力基金は新しい基金に替わることになる。

 
英国と発展途上国の研究者の提携を支援する GCRF と Newton 基金に関する疑問が出始めており、いずれも2021年の支出期限が間近に迫っている。昨年、政府は支援支出の削減を決め、2つの基金によって支援されていた研究プロジェクトは大幅削減となり、2つの主要な基金の将来に対する不安が高まってきている。

 
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は Research Professional News に対して、両方の基金は当初予定されていた期間を超えて資金提供を受けることはないが、既存のプロジェクトに対しては資金提供の継続はあることを述べた。

 
その代わりに、BEIS は ODA と非 ODA の基金を合わせた国際科学提携の新しいモデルを採用する予定である。廃止されるもう一つの基金は UKRI によって管理している1億6000万ポンドの国際協力基金で、世界で20カ国のパートナーを支援していた。

 
国際開発

 
この展開は国際開発に対する対応で政府内での再編成後のことであった。2020年に 旧国際開発省(DFID)旧外務、英連邦省(FCO)と統合され、2021年に安全保障、防衛、開発、外交政策の統合レビューが発表され、ODA の支出を含む国際的(科学と技術)提携の強化と多様なネットワークの形成を約束した。

 
ODA のレビューを受けて、前外務大臣であった Dominic Raab 氏は2021年1月に、科学と研究は7つの優先事項分野の一つとして残るが、BEIS を通じて資金が提供される研究は削減され、FCO によって資金提供されている研究も大幅に削減されることを述べている。

 
GCRF 当初は5年間の資金提供期間で15億ポンド相当であったが、この削減によって少なくとも1億2,500万ポンドを失った。Newton 基金の予算は7億3,500万ポンドの予定であったが、2021年3月までの調査では現在までの支出は5億8,500万ポンドで、新規プロジェクトは予定されていない。

 
2つのファンドは英国を拠点とする多様な出資者によって管理され、UK リサーチ・イノベーション(UKRI)が最も高額な出資者である。その他には英国の4つの国立学術団体、英国宇宙局(UKSA) ブリティッシュ・カウンセル、気象庁なども含まれている。

 
先週、BEIS は GCRF とニュートン基金に評価報告を発表した。ニュートン基金は以前その有効性に関して懸念があったにもかかわらず、2つとも公平なパートナーシップを支援する目的として大変成功していると承認された。

 
GCRF は2021-2026年の5年間に第2段階を開始する予定であった。BEIS の広報担当官は「BEIS は継続的な改善と費用対効果を確認するために、定期的に研究とイノベーションの評価を行っている。独立した報告書の結果によって、将来もっと効果の出る研究プログラムを提供するため、研究分野の長所や短所を特定し、対応することに役立つであろう。」と述べた。

 


Research Professional News: UK government scraps major ODA-financed R&D funds


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