2022年2月14日、UPP 財団(UPP)によって発足した UPP 財団学生未来委員会の最終報告書で、COVID-19 による問題に対して大学と学生が共同で取り組むことを呼びかけている。この報告書では、大学と学生が協力し、学生の大学での学習の改善のための具体的な活動内容として、「学生未来宣言」を提示している。
この委員会報告書は、将来の高等教育における教育と学習の未来、自身の大学に対する帰属意識を持たせる支援の重要性、卒業後のはっきりとした進路の必要性について異なる観点から提案している。また学生の将来に関して6つの重要な課題を挙げている。
- 学生に対する大学入学前のサポート
- 大学生活の導入ガイド
- メンタルヘルスや心身の健康に関するサポート
- 学生がこれから受ける教育内容と、その過程で利用するツールに対する概要説明
- スキル、ネットワーク、コミュニティを構築する大学のカリキュラム内外の活動
- 卒業後に向けた明確な進路
同委員会はこの宣言を作成することで、大学側が優先順位をはっきりさせ、学生の将来の成功のためによりよくコミュニケーションを取り、その努力を支持することに役立つことを期待している。
報告書には2,000人以上の大学生と最近の卒業生を対象とした調査の結果も含まれており、コロナウイルスの危機から脱出を図るため、高等教育機関が直面する問題の規模の大きさを物語っている。
- 73%の学生は自身のメンタルヘルスに関して「非常に」、もしくは「何らかの」悪影響があったと答えている。
- 57%の学生は COVID-19 が自身のコースを修了するために必要な知識の習得に悪影響を与えたと回答している。
- 52%の学生は自身の学術研究に関して、自分が期待していたものより「どことなく」、もしくは「かなり」低い達成度になったと感じていると回答している。
- 90%の学生は「かなり強く」または「ある程度」、録画している状態の対面式授業であってほしいと答えている。
- 33%の学生が、過去12か月間で、就職や就業体験に関して大学が提供してくれたサポートの品質に関して、「やや満足」もしくは「満足」と答えている。
委員会の報告書は大学に、2022/2023 学事年度末までに学生と協力し、「学生未来宣言」の発表をすることを呼びかけている。
UPP 財団(UPP): A Student Futures Manifesto 全文:A Student Futures Manifesto
地域 | 西欧 |
国 | イギリス |
取組レベル | 政府レベルでの取組 |
大学・研究機関の基本的役割 | 教育 |
人材育成 | 学生の就職 |