【ニュース・イギリス】大学は支払った金額分の価値がある、と考えている学生はわずか3分の1

 
2021年12月15日、University Business は 学生局(OfS)の調査で、イングランドの学部生で自身の大学のコースが金額分の価値があると感じた学生は3分の1以下であることを伝えた。この調査は2021年で2回目のもので、大学の経験が値段に見合っていると考えている学生は少数派であることを示唆している。

 
この調査はイングランドの高等教育規制局によって行われ、614人の学部生に話を聞き、32.9%がコストに見合っていると考えていることが明らかになった。

 
高等教育が費用対効果に見合っていると感じている割合は、2020年の37.5%から低下している。この低下は統計的には大きなものではないが、英国国家統計局(ONS)の調査によると、学生のメンタルヘルスの悪化や、いくつかの学費の返還を求める嘆願なども関わりがあると見られる、と OfS は述べている。

 
学費のコストパフォーマンスに関する調査は毎年行われており、今年は2021年2月から3月にかけて行われた。この時期は Covid-19 の感染が拡大した時期で、1月4日にイングランド全域でのロックダウンが発表された後である。その時大学の授業はほとんどオンラインで実施されていた。

 
OfS は、調査の対象の規模と回答した学生の無作為さや偏りの補正がないため、調査結果は、学生全体を表していないとの見解を示している。

 
OfS が委託した調査では、585人の大学進学希望者、288人の卒業生、317人の現役の学部生を対象としている。その調査では、大学進学希望者は43.8%、卒業生は36.1%、現役学生は41.6%が、高等教育の費用対効果が良いと答えている。

 
この調査は高等教育機関の学生の教育コストに関する意識を聞く唯一のものではない。Advance HE と高等教育政策研究所(HEPI)の行った学生学術経験調査(SAES)では高等教育のコストパフォーマンスを「良い」「とても良い」と回答した者は27%で、前年より12%低下していた。SAES による2012年の調査では53%が高等教育機関での経験を肯定的に回答していたことと比べると、肯定的な評価は約半分となっている。

 


University Business: Just third of students agree university is value for money
Office for Students: Official statistic: Key performance measure 19


地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
大学・研究機関の基本的役割 教育
統計、データ 統計・データ