【ニュース・イギリス】大学・科学担当大臣、言論の自由サミットを主催

 
2018年5月3日、教育省(DfE:Department for Education)は、大学・科学担当大臣であるSam Gyimah氏が高等教育機関の学長等に対し、言論の自由に関する新しい手引きの作成に協力するよう呼びかけたとして、以下のように発表した。
 
同担当大臣は、彼が議長を務める言論の自由サミット(5月3日開催)で、キャンパス内での言論の自由は奨励されるべきであり、それを阻止しようとする者に逃げ場はないと関係機関のトップ達に明言した。
 
同担当大臣は高等教育機関に対し、学生社会で台頭してきている「古くからの敵意」という時代にそぐわない考えの撲滅を呼びかけ、キャンパス内で見られる、いわゆる「安全な場所」方針*や「ノープラットフォーム」方針**が増加しているという昨今の報告に従い、政府と共に協力していくことを強く求めた。また、同担当大臣は、現在の情勢は「暗く恥ずべきものであり」、各機関がばらばらに作成した手引きが世の中に数多くあることで、言論の自由を抑圧したいと思う者に付け込まれるリスクのある複雑な構造を生み出していると述べた。
 
同担当大臣はキャンパスでの適法な言論の自由を保護するために更なる行動を取ることを要求し、学生と大学の双方に明確な決まりを初めて提供する新しい手引きの作成について関係機関間の協力を提案した。政府によるこの種の介入は、1986年に言論の自由の義務が導入されて以来初のものである。
 
新しい手引きは、キャンパス内での言論の自由にとって新時代の兆しとなり、次世代の学生が、大学(での)経験のまさに中核部分と言える刺激的な討論や多様な観点に触れることを可能とする。
 
4月1日から正式に活動を開始した学生局(OfS:Office for Students)は言論の自由を保護することとなっており、言論の自由の原則を擁護しない機関の名称を特定し、公表し、さらには罰金を課す権限を持つ。
 
* 元々は、マイノリティ学生等の立場を守るために自治的な空間を設ける取り組みを指すが、行き過ぎた自主規制、または言論の自由や異なる政治的見解を持つ者への抑圧となりうることが近年指摘されている
** 元々は、差別主義者やファシストに発言の場を与えないという排斥運動の一つの形
 
GOV.UK:Sam Gyimah hosts free speech summit

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