【ニュース・イギリス】卒業後の雇用、いまだに不平等が続く

2016年8月24日、イングランド高等教育財政会議(HEFCE)は大学卒業後3年半経過した卒業生の97%が有職、または進学していると発表した。しかし未だに人口統計的な差は続いている。

 

調査は、2009年及び2011年に卒業した2つのグループの卒後6ヶ月と40ヶ月の状況について実施された。 

 

全体的な雇用率は高く、2009年卒業生と2011年卒業生のいずれのグループも卒後6ヶ月の時点で90%は有職または進学していたが、専門的な職に就いていたのは2011年卒業生の方がわずかに高かった。卒後40ヶ月のグループでは有職または進学者の率は95%を越えたが、そのうち、専門的な職に就いていたのは69%であった。

 

○主な傾向:

  • 女子卒業生より男子卒業生のほうが専門的な職に就いている割合が高い。2011年卒業生の40ヶ月後の状況を比較すると、男子79%、女子74%。
  • ほとんどの黒人、少数民族グループの雇用率は白人に比べて7~9%低い(2011年卒業生の40ヶ月後の状況)。しかし、例外的に中国人の状況は改善され、2011年の結果では白人とほぼ同率であった。
  • 恵まれない環境で育った卒業生が専門的な職についている割合は低い。卒後6ヶ月と40ヶ月の状況を比べるとどの分野でも改善が見られたにもかかわらず、出身環境の差は残っている。

 

HEFCEの政策局長であるChristopher Millward氏は、“高等教育は社会流動の強い要因になり得るが、そのためには大学への進学のみではなく、卒業後それにふさわしい職に就くところまでが求められる。このリポートは、高等教育機関が雇用者側と協力してこの問題に取り組む必要があるということを示している。”と述べた。

 

HEFCE:Inequality persists for graduate employees

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組、大学等研究機関レベルでの取組
人材育成 学生の就職
統計、データ 統計・データ