【ニュース・イギリス】主要な高等教育従事者を守るため、ビザ申請の給与要件引き下げの呼び掛け

 
2019年2月19日、英国大学協会国際部(Universities UK International:UUKi)は、部長であるVivienne Stern氏が、欧州経済地域(European Economic Area:EEA)の労働者が高技能職ビザの申請のために提案された給与要件を引き下げ、年収21,000ポンド(以上という要件)にすることを政府に要求したとして、以下のような記事を掲載した。
 
移民法案に関する公共法案委員会でエビデンスを示しつつ、このことは移民諮問委員会の提案に関する大学界の特定の反応を初めて詳細に示すものである。その提案では給与の線引きは30,000ポンドとされており、政府によって現在協議されている。
 
英国大学協会(Universities UK:UUK)は、協会員(注:各大学)に代わり、高い技能を持つ職業は常に最高の給料を伴っているわけではないということを声高に強調してきており、また、すべての科学技術者、工学技術者、生産技術者や語学助手の給与の中央値となる範囲は30,000ポンドという基準よりもかなり下回っている指摘した。
 
これは、もし30,000ポンドという基準が押し付けられた場合、これらの分野で技能が失われる重大なリスクがあるということを意味する。例えば、2016年には、英国の高等教育界のEEA出身技術者の54%がバイオサイエンスや臨床医学の部門で働いている。これらの部門において、EEAの国籍保有者は技術労働者のちょうど4分の1強を占めている。
 
Vivienne Stern氏は、エビデンスの討議の際、最も危機にさらされている職種のために広く求人を行なうことが可能になるということの重要性の認識として、不足職業リストに載っている仕事について給与基準をなくすということも推奨した。
 
UUKは、より低い基準額に向けた主張を強化するため、引き続き主要な関係者と協力し、関係する閣内大臣にエビデンスを共有してゆく。
 
英国大学・カレッジ雇用者協会(University and Colleges Employers Association:UECA)による技術者及び助手レベル役職の給与範囲分析:
 

職種 下位四分位値 中央値 上位四分位値
科学技術者、工学技術者、生産技術者 20,555ポンド 26,280ポンド 32,172ポンド
情報技術者 25,446ポンド 31,056ポンド 38,158ポンド
語学助手 21,000ポンド 26,000ポンド 31,000ポンド

 
1ポンド≒142.71円
 
UUK:Universities UK calls for salary cap to be set at £21k to protect key higher education workers

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