【ニュース・イギリス】世論調査で、英国民の多くが、非EU圏からの留学生が「移民」として扱われていることを疑問視

2014年8月25日、英国大学協会(UUK:Universities UK)と調査機関「British Future」は共同で英国民(学外者)対象の世論調査(※1)で、留学生数を制限することに反対する意見が多数であるという報告書を発表した。
報告書において、英国政府は、移民の純移動数(※2)に留学生数を含めるのをやめ、大学がより多くの留学生を獲得できるように支援するべきであると提案されている。
非EU圏からの移民の中で留学生の数は最も多い3分の1を占めているが、本調査において、そもそも留学生を「移民」としてとらえている人は22%に留まった。
その他の主なポイントは以下の通り。

・留学生が「移民」として扱われていると知らされた際に、大半が驚き、ときには困惑の態度すら示した。

・59%が、移民数削減が困難になるとしても、政府は留学生数を減らすべきでないと答え、わずか22%が留学生数削減に賛成と答えた。

・留学生数削減に反対と答えた保守党支持(※3)層は、66%と、更に高かった。

・75%が、学位取得後の留学生の英国滞在延長・労働を許可すべきだと答えた。保守党支持層内では、88%と、更に高かった。

・61%が、留学生が支払う高い学費(※4)は、高レベルな設備投資や教育を維持するため、大学の財政にとって欠かせないと答えた。

※1 調査は2014年6月2日~4日にかけて、英国全土の18歳以上の国民2,111人を抽出してオンラインで行われた。
※2 ある地域内で特定期間に出入りした人数の差。移民問題に悩まされる英政府は圧倒的な入超過の現状を2015年までに大幅に改善することを目標に掲げている。
※3 現政権は保守党と自由民主党の連立政権で、キャメロン首相は保守党党首。
※4 政府の高等教育助成金削減が続く中、各大学は2012学事年度に実施された学費上限額の大幅値上げ以降、毎年段階的に学費を値上げしている。2014学事年度の学費平均額は、£8,703。非EU圏学生には上限額を超えた学費を課すことができるため、同年度の非EU圏留学生学費平均額は£11,987となっている。

URL1: http://www.universitiesuk.ac.uk/highereducation/Pages/UUKBritishFutureInternationalStudentsreport.aspx#.U_2iGWd0wdU
URL2: http://www.theguardian.com/education/2014/aug/25/heseltine-cut-foreign-students-figures-lower-net-migration-conservatives

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
国際交流 国際化、学生交流
統計、データ 統計・データ