【ニュース・イギリス】不十分な書類チェックサービスのために、留学生は法外な金を支払っている

英国大学協会(University UK:UUK)は、2019年7月29日に、英国の大学において、Sopra Steria-ビザ申請の一環として書類確認と生態情報登録を請け負っている企業-が、需要を満たすことができず、英国の学生の一部が予約を取るのに30日も待たされていることから、懸念が高まっていると公表した。

 
以前は、学生は書類チェックを地元の郵便局を通して都合の良い時に手配することができた。
内務省(Home Office) 、英国ビザ・入国管理局(UKVI)、UUKの努力にもかかわらず、大学はSopra Steriaが提供するサービスに関して、以下の事項を報告し続けている。

  • 申請者は少なくとも2週間、場合によってはさらに長い間予約が取れない
  • 申請者は、オンラインで情報にアクセスし処理する際に問題が起きている。もし、申請者がオンラインシステム上で問題を抱えた場合、カスタマーサポートは1分ごとに2.5ポンド請求する。
  • 結果として、一部の学生は予約を取るため、プレミアムサービスに対して料金を支払い、かなり離れたところにあるSopra Steriaのオフィスまで出向いている。
  • また一部の学生は、100から200ポンドのプレミアムサービスにお金を支払っても予約が取れず、またその返金を求めても拒否される。
  • サービスの利便性に関する問題

苦情を受けて、Sopra Steriaは最近になって大学キャンパスでの出張サービスを提供することを決めた。しかし、ここでの15分の予約は、学生もしくは大学によって支払われた50ポンドの費用によって提供される。このことは、学生がビザ取得のために支払う費用に加わり、大学がこれらの予約を容易にするために用いる必要があるスペースやスタッフのリソースを考慮していない。

 
大学にとって9月の学生入学が差し迫っており、この時期は4000人を超える学生の生体認証を登録する必要があるので、この問題に対する不安感は増し続けている。留学生はビザ申請中は国外に出られない、つまり今のサービスが不十分なままだと、一部の留学生はクリスマス休暇に帰国できない。ケンブリッジ大学に留学しているチリ出身の博士課程在籍の学生であるElisa CalcagniはSopra Steriaからのサービスに失望している。

 
「EEA外の国なので、私は生体情報をSopra Steriaを通して登録する必要があった。私は追加料金を予期していなかったが、無料予約を見つけるのは事実上不可能であった。オンラインシステム上の予約システムの時間枠は2週間分しかカバーしておらず、そこには利用可能な無料予約は無かったし、ケンブリッジ大学での予約も全くなかった。私はSopra Steriaのカスタマーサポートに電話をしたところ、ウェブサイトのキャンセル予約を確認し続けるように言われただけだった。

 
私は予約が利用可能になるという保証がないまま、システムを継続的に確認し続けるという不確実性を望んでいなかったので、100ポンドを支払って Sopra Steriaのオフィスでの予約を選んだ。時間指定の予約をしたにもかかわらず、一時間待たされ、システムが上手く作動しなかったのでさらに遅延した。

 
サウサンプトン大学の学生Khalid Elkhereijiは以下のように述べた。
 
「私はスクリーン上の文字を読み上げるスクリーンリーダーを使っている。ビザに必要な予約を取るために、自分のUKVCAS(ビザ取得代行会社)アカウントでログインを試すことはとても失望するものだった。なぜなら、私のスクリーンリーダーのどれもが、ロボットではなく人がログインしていることを確認するために選択されるチェックボックスを検出したからである。問題を認識できなかったので、何度も同じステップを繰り返し、私はこれを試すのに何時間もかかった。これは私が他のウェブサイトで直面するような問題ではなく、目が見える人の助けがなくてはログインできないことを意味する。

 
私がログインできたとき、サウサンプトンの中心部近辺で予約はできないことは明らかであった。この問題は、大学によって提起され、それからはサウサンプトンで予約が取れるようになった。私はSopra Steriaにサービスのアクセスしやすさについて私の心配を話し、修正するのが比較的容易だと信じていたが、Sopra Steriaによるアップデータは行われておらず、彼らのウェブサイトが包括的でアクセス容易用意だという確信はない。私は、私と同じような経験を他の人がしないよう、Sopra Steriaに試験的なことをやるように言ったにも関わらずである。
UUKの会長Alister Jarvis氏は以下のように述べている。

 
「内務省、UKVI、そして大学との間での取り決めにも関わらず、Sopra Steriaによって提供されている現在のサービスのレベルは受け入れられるものではない。学生と大学はSopra Steriaの壊れたシステムを扱うために費用を支払おうとは考えていない。

 
我々は、学生が必要とするビザとともに学生生活を始められるよう、Sopra Steriaにこれらの懸案事項を9月の学生入学前に十分に対処するよう求めている。留学生は英国に対して多大な文化的経済的貢献をもたらす。Sopra Steriaは留学生に対して歓迎的なメッセージを発し、英国が世界中から才能ある個人に開かれていて、大学も同様であることを知らせるべきである。」
 

universities UK: International students paying through the nose for woefully inadequate document-checking service

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