【ニュース・イギリス】不十分な学生への心のケア - NHSと大学トップが改善への合意

 
2018年5月11日、英国大学協会(UUK:Universities UK)は国民医療サービス(NHS:National Health Service)とともに学生のための心のケアを改善するとして、以下のように発表した。
 
同協会の学生心のケアサービス担当グループは、NHSと大学との間で協力体制を改善し、すべての学生が必要なケアを受けられるようにするため、“Minding our Future(将来を考えて)”という新しい手引きを公表した。
 
英国では現在、高校を出た若者のほぼ半分が大学に進学している。すべての精神疾患の75%が24歳までに発症するため、この時期は若者にとって精神的にもろい時期と考えられる。公共政策研究所(IPPR:Institute for Public Policy Research:シンクタンク)の5年間にわたる研究では、94%の大学で心のケアのサービスを利用とする人が急増しており、中には3倍増になっている大学があることがわかった。また、国家統計局(ONS:Office for National Statistics)からも、2006年から2016年にかけてイングランド及びウェールズのフルタイムの学生の自殺の増加が報告されている。
 
成長するにつれ、大学生は高等教育への挑戦、独立した生活、新しい交友関係の構築などを始める。同時に、長期休暇により大学と家の往復を余儀なくされるため、(それにより継続的な心のケアとサポートが不可能になる場合があり、精神的に)最も脆弱な時期にもろい時期に医療システムからこぼれ落ちている可能性がある。学生に対する心のケアは、このような過渡期の状況を理解し、ケアを一体化していくことが必要となる。主な難点は、学生が初めて実家を離れるときに健康情報まで同時に携えてくることがめったにないということである。
 
“地元拠点”という、地元学生のニーズに応じることを含んだ取り組みが、NHS並びに地方自治体、学校、中小企業及び第3セクターと提携して活動する大学とともに、すでにマンチェスター、ブリストル、北ロンドンで行われている。
 
UUK:Mental health care is letting down students, agree NHS and university leaders

地域 西欧
イギリス
取組レベル 大学等研究機関レベルでの取組
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