【ニュース・イギリス】メイ首相、ダボス会議でプログラミングのコンソーシアム(Institute of Coding)設立に2千万ポンドの投資を発表

 
2018年1月25日、メイ首相はスイスで開催された世界経済フォーラム(通称ダボス会議)において、政府の産業戦略を通じたデジタル技能の向上のためにプログラミングに関するコンソーシアムを設立し、2千万ポンドを投資することを発表した。
 
コンソーシアムには、IBM、Cisco、BT、マイクロソフトやその他中小企業を含む企業、25の大学、そしてBritish Computer Society やCRESTといった専門機関で構成され、合計60以上の機関が参加する。
 
この25大学はUniversity of Bathに主導されており、ビジネスとコンピューター科学で分野を先導する大学(UCL、Newcastle University)から、芸術やデザインの専門機関(University of Arts)、そして参加やアウトリーチの拡大に特化した機関(Open University and Birkbeck、University of London)が含まれている。
 
政府からの投資2千万ポンドに加えて、産業界からも訓練や設備といった現物支給を含めてさらに2千万ポンドとの投資がされることとなっている。
 
このInstitute of Coding(IoC)は、以下の重要テーマを中心としている。

  1. The Open University担当「大学の学習者」:大卒レベルの資格を対象とした、新産業で求められる標準的な技能により、卒業生の雇用可能性を上げる。IoCのプログラムでは、実社会のビジネス問題を解決するような、またビジネスの、技術的な、そして対人的なスキルを発展させるような学習を、同じ尺度で統合する。
  2. Aston University担当「デジタル人材」:戦略的な重要分野での専門的技能の訓練方法を開発する。
  3. Coventry University担当「専門職のデジタル化」:デジタル面での変革を受けている専門職を変革する。(例えば、オンラインや対面学習を通じて提供される新しいデジタル訓練プログラムにより、学ぶ側の再訓練を支援する)。
  4. Queen Mary University of London担当「参加の拡大」:技術関係の教育や職業における平等性と多様性の拡大(例えば、専用のワークショップ、新人訓練、核心的な学習施設やその他のアウトリーチ活動)。2017年には、女性のプログラマーやソフトウェア開発者は英国の技術・通信関係専門職のわずか3.9%でしかない。
  5. University of Bath担当「知識の共有と持続可能性」:IoCの長期的な持続可能性を確実にするため、成果や成功事例を共有する。これは、将来の技能的なずれを予想するためのエビデンスに基づく研究、分析そして情報収集活動の構築を含む。

 
GOV.UK:Prime Minister announces £20 million Institute of Coding
 
1ポンド≒156円(2018年1月25日)

地域 西欧
イギリス
取組レベル 政府レベルでの取組
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