2016年11月4日、教育省(DfE: Department for Education)は英国の大学のパートタイム学生と博士課程の学生を増やすため、それぞれに対する支援計画を発表した。
- 新たな学生ローンとして、初めてパートタイム学生を対象として、学費に加え生活費の支援を行う。これは、英国の経済発展に必要なスキルを学生に身に着けさせる上で重要な役割を果たす。
- 博士課程学生の支援については、博士課程ローンの上限を£25,000に上げる。これは、教育学生の将来への投資というだけでなく、引き続き英国の研究力を強化し、新しいアイディアや技術の面で世界のリーダーとしての英国の地位を固めるためのものである。
Jo Johnson大学・科学・研究・イノベーション大臣は“どんなバックグランドで育っても誰でも学士課程以上の学習をする権利を持っている。そのため18ヶ月にわたって、大学院課程の財政支援について検討し、今回学士レベルのパートタイム学生も新たに支援することにした。すでに修士課程学生への支援を導入しており、今回の新たな学生ローンの導入は英国中で必要とされる技術や研究基盤の底上げのために重要な次のステップである。”と語った。
GOV.UK:More support planned for part-time and doctoral degree students
【関係機関の反応】
・英国大学協会(UUK: Universities UK)
2016年11月4日、UUKは、教育省が英国のパートタイム学生の生活費支援に関する協議を開始したことについて、UUKが要望していたフルタイム学生とパートタイム学生への平等な支援に向けた重要な一歩である、とコメントした。
現在英国の学部学生の5人に1人がパートタイム学生であるが、過去6年間でその数は40%減っている。原因は複雑であるが、教育に係るコストの高さ、財政支援が限られていることなどが考えられる。
一方、米国、オーストラリアでは、授業料は比較的高額であるが、フルタイム、パートタイム学生にほぼ同じレベルの財政支援をしており、パートタイム学生数は2005年から2013年にかけて米国で40%、オーストラリアで20%を超える伸びを示している。
今回の教育省の発表は、英国のパートタイム学生への財政支援不足という課題を解消する機会を提供するもので、この支援によって、パートタイムで学ぶということがより柔軟な方法で学びたいと考えている学生にとってより現実的な選択肢になり得るであろう。
Universities UK:How to reverse the decline in part-time study? Learn from our overseas competitors